私の理想の王子様
 スタジオに到着した朝子が入り口から顔を覗かせると、真っ先にミチルが現れる。

「朝子さん、今日はよろしくお願いします」

 ミチルはいつもよりもハキハキとした声を出すと、早速今日のスケジュールを説明してくれた。

 やはりミチルにとっても初の表紙撮影ということもあり、とても気合いが入っているのが伝わってくる。

 朝子は自分ももう一度気持ちを引き締めると、真剣な表情で内容を確認した。


 しばらくするとカメラマンの男性と、ライターの女性の江口が到着する。

 二人と挨拶を交わした朝子は、間宮にアシスタントに入ってもらいながら、早速メイクの準備に取りかかった。

 ヘアはプロのスタイリストにお願いしている。

 今回はメイクを進めながらインタビューを受けるというスタイルで取材はスタートした。


 インタビューは江口の質問に答える形ではじまり、ビーミーシリーズの紹介をした後、話は男装メイクのことにうつる。

「じゃあ男装メイクのきっかけは、本当にたまたまだったんですね」

 江口の驚いたような声に、朝子は間宮と顔を見合わせるとくすくすと笑い声を上げた。
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