私の理想の王子様

王子様の再会

 秋晴れの心地よい陽気の中、朝子は異業種交流会のメンバーとともに、森林公園へバーベキューにやって来ていていた。

 ここは都内にある手ぶらでバーベキューが楽しめる人気スポットだ。

 広々とした芝生には、いくつものグランピングテントが並んでおり、その前にはバーベキューを楽しむためのタープテントも設置されている。

 ジュウジュウと肉の焼ける音と香ばしい匂いの漂う中、朝子は手を振るミチルのいるテントへと向かった。


 異業種交流会のメンバーでバーベキューをするから参加して欲しい、とミチルから連絡が来たのは先々週のことだ。

 “もう一度だけ、男装メイクをして、外を歩いてみたい”

 そう思っていた朝子にとって、イベントの誘いは心が弾むものだった。

 でもその一方で、果たして自分に男装メイクができるのだろうかという不安もある。

 朝子はここしばらく動画で男装メイクを学び、洋服や靴なども新調して、気合を入れて今日を迎えたのだ。
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