私の理想の王子様
(まぁ理想の王子様って言っても、自分なんだけどね……)
どう説明したらよいものかと朝子が眉を下げた時、フロアの奥から智乃を呼ぶ声が聞こえてくる。
朝子はその声にいち早く反応すると、智乃をくるりとフロアの方へ向かせ、ポンポンと肩を押した。
「ほらほら智乃ちゃん、呼ばれてるよ」
「んもうー! 今度詳しく聞かせてもらいますからね!」
「はいはい」
朝子は肩をすくませると、名残惜しそうにシステム部の方へと戻る智乃の後姿を見送る。
そのままコピーを取り終えた朝子は、資料を抱えてフロアを移動しながら、そっと窓ガラスに映った自分の姿を眺めた。
(もう一度、男装メイクをして、外を歩いてみたい)
今の自分ではない、別人になるという高揚感をもう一度だけでいいから味わってみたい。
その気持ちはふつふつと静かに湧いてくるのだ。
するとその時、朝子のパンツのポケットに入れていたスマートフォンが震えた。
不思議に思いながら画面を覗き込んだ朝子は、小さく息を止めるとじっと画面を見入る。
そこに書かれていたのは「異業種交流会 秋の野外イベントのお誘い」というメールだった。
どう説明したらよいものかと朝子が眉を下げた時、フロアの奥から智乃を呼ぶ声が聞こえてくる。
朝子はその声にいち早く反応すると、智乃をくるりとフロアの方へ向かせ、ポンポンと肩を押した。
「ほらほら智乃ちゃん、呼ばれてるよ」
「んもうー! 今度詳しく聞かせてもらいますからね!」
「はいはい」
朝子は肩をすくませると、名残惜しそうにシステム部の方へと戻る智乃の後姿を見送る。
そのままコピーを取り終えた朝子は、資料を抱えてフロアを移動しながら、そっと窓ガラスに映った自分の姿を眺めた。
(もう一度、男装メイクをして、外を歩いてみたい)
今の自分ではない、別人になるという高揚感をもう一度だけでいいから味わってみたい。
その気持ちはふつふつと静かに湧いてくるのだ。
するとその時、朝子のパンツのポケットに入れていたスマートフォンが震えた。
不思議に思いながら画面を覗き込んだ朝子は、小さく息を止めるとじっと画面を見入る。
そこに書かれていたのは「異業種交流会 秋の野外イベントのお誘い」というメールだった。