私の理想の王子様
 食事の後は二人でお気に入りの映画を見た。

 大画面のモニターに流れるラブストーリーが終わりにさしかかった頃、朝子は須藤に抱き上げられてベッドルームに移動する。

 数えきれないほどキスをして、お互いを慈しむように抱きしめ合う。

 朝子は自分の中にある(もや)をはらうように、いつにも増して須藤を求めた。


 須藤の甘い動きに翻弄されるように、朝子は何度も高みに昇りつめる。

 いつもだったら、もうとっくに意識を手放している頃だろう。

 でも今日だけは、頭の片隅にチラチラと昼間の話が浮かぶのだ。

 それはふっと浮かんでは、意識が遠のくと消えていく。


「朝子、今は集中して」

 すると突然、須藤が口を尖らせた顔を覗き込ませた。

 朝子がはっと顔を上げると、須藤は熱い息を吐きながら、再び朝子に覆いかぶさる。

「ご、ごめんなさい……」

 そう言おうとした朝子の唇は、あっという間に須藤の唇に塞がれた。

 それからは、ただただ須藤の愛情を全身に受け、何度も声を上げた朝子は、いつの間にか手を引かれるように眠りに落ちたのだ。
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