無駄を嫌う御曹司とかわいげのない秘書の契約結婚
なだれ込むように大和の寝室に連れて行かれ、ベッドに寝転がった途端、強く抱き締められた。
千尋が背中に腕を回すだけで幸せそうな顔をする大和を見ていると、なんでもしてあげたくなってしまう。
そういえば大和の部屋に入ったのは初めてだ。
しかしベッドが少し大きめだと思う以外、周囲に目を移す余裕はない。
「痛く、ないですか?」
千尋が腕に触れながら聞くと、額への口づけを返された。
「千尋が看病してくれたからな」
彼は体を起こして着ていたシャツを脱ぐと、千尋の服に手をかけた。
ブラウスの前ボタンを丁寧に外し、万歳の格好で脱がされる。ブラジャーのホックを外されて、スカートを引きずり下ろされた。
大和の前に体を晒すことにあまり抵抗がなかったのは、寝室の明かりがついていなかったからだろう。
月明かりでは、うっすらとしか肌が見えない。
しかし、下着を含めたすべての衣服が取り払われると、心許なさを覚える。
ぴたりと脚を閉じてしまうと、撫でるように太腿に触れられ、大和の膝が入り込んできた。
「ほとんど見えないんだから、隠す必要はないだろう?」
ほとんど見えないなんて嘘だ。
そう訴える前にキスで唇を塞がれた。
「ん……」
唇の隙間から舌が滑り込んできて、口腔を縦横無尽に舐められる。
舌を搦め捕られ、その心地好さに頭が痺れたように働かなくなっていく。
キスが深まるたび下腹部の奥がじんと疼き、異様な体の昂りに心臓がどっどっと激しい音を立てた。
脚の間はすっかり準備が整っており、指先で確かめられるたび、全身から汗が噴きでてくるほどの羞恥心に襲われる。
「あぁっ、は……ん~っ」
己の口から漏れた誘うように甘い艶声に驚き、慌てて口を腕で塞ぐと、やんわりと外される。
「俺の楽しみを奪うなよ。いくら声を上げたって隣には聞こえない」
だから聞かせろとばかりに容赦のなく全身を愛撫され、千尋は息も絶え絶えになるほど追い込まれていく。
太く長い指で濡れそぼった膣をかき混ぜられると、腰が跳ね上がり、反応を示してしまう。
千尋の感じる部分はどこかと探るようにあらゆるところに触れられた。
「はぁ……あ、あぁっ、もう」
喘ぎ声が掠れ、もう何度高みに押し上げられたかわからない。
髪を振り乱しながら意味もなくいやいやと首を振ると、両足を持ち上げられて、ようやく彼が中に入ってくる。
「ん……っ、ぅ」
一気に貫かれた衝撃に息が詰まる。
「ひぁっ」
ずんと腰を穿たれ、首を仰け反らせながらか細く悲鳴のような声を上げると、千尋の頬が大きな手のひらに包まれる。
「ようやく君を手に入れられた気がする」
幸せそうなその声にうっとりと目を細めると、唇が重ねられて、叩きつけるように体が揺さぶられる。
途切れがちの喘ぎ声の中で、「愛している」という言葉を何度となく伝えられ、熱に浮かされたまま言葉を返す。
その夜から、千尋の寝室は彼の部屋になったのだった。
エピローグ
大和と結婚しておよそ一年半が経った六月。
千尋は会議室の準備を整えると、受付からの連絡を待ち、一階に下りた。
「本日はご足労いただき、ありがとうございました。私、玖代ファクトリー、営業部の玖代と申します」
名刺を差しだすと、フードリオホールディングスの社長、後藤は、千尋の顔を見てはてと首を傾げた。
「君は……どこかで会ったかな?」
「以前、もぐもぐ食堂でご挨拶をさせていただいたことがございますね。ご無沙汰しております。後藤社長」
千尋が伝えると、合点がいったとでも言うように後藤は手を打った。
「あぁっ! やっぱり! そうかそうか」
「私も驚きました」
実は千尋も同じくらい驚いていた。まさか以前、もぐもぐ食堂で社長と呼ばれていた相手が、フードリオホールディングスの社長だなんて思うはずがない。
外食産業大手のフードリオホールディングスの後藤から、連絡があったのはひと月前。
大和の言葉通り、クマトイファクトリー改め玖代ファクトリーの玩具に興味を示してくれたようで、フードリオホールディングスの子会社のひとつで扱わせてもらえないかと連絡があったのだ。
玖代ファクトリーは徐々に売上を伸ばしており、大手百貨店内に専門店もいくつかできた。
量産体制も整いはじめており、従業員はすでに数百人にも及んでいる。
さらにフードリオホールディングスが経営する小売店で扱ってもらえれば、消費者に手に取ってもらう機会がぐんと増えるのは間違いない。
後藤の機嫌良さげな顔に安堵しつつ、会議室へと案内をする。
千尋は現在、玖代不動産の秘書室から、玖代ファクトリーの営業部へ出向中だ。といっても会社は同じビル内にある。
千尋が背中に腕を回すだけで幸せそうな顔をする大和を見ていると、なんでもしてあげたくなってしまう。
そういえば大和の部屋に入ったのは初めてだ。
しかしベッドが少し大きめだと思う以外、周囲に目を移す余裕はない。
「痛く、ないですか?」
千尋が腕に触れながら聞くと、額への口づけを返された。
「千尋が看病してくれたからな」
彼は体を起こして着ていたシャツを脱ぐと、千尋の服に手をかけた。
ブラウスの前ボタンを丁寧に外し、万歳の格好で脱がされる。ブラジャーのホックを外されて、スカートを引きずり下ろされた。
大和の前に体を晒すことにあまり抵抗がなかったのは、寝室の明かりがついていなかったからだろう。
月明かりでは、うっすらとしか肌が見えない。
しかし、下着を含めたすべての衣服が取り払われると、心許なさを覚える。
ぴたりと脚を閉じてしまうと、撫でるように太腿に触れられ、大和の膝が入り込んできた。
「ほとんど見えないんだから、隠す必要はないだろう?」
ほとんど見えないなんて嘘だ。
そう訴える前にキスで唇を塞がれた。
「ん……」
唇の隙間から舌が滑り込んできて、口腔を縦横無尽に舐められる。
舌を搦め捕られ、その心地好さに頭が痺れたように働かなくなっていく。
キスが深まるたび下腹部の奥がじんと疼き、異様な体の昂りに心臓がどっどっと激しい音を立てた。
脚の間はすっかり準備が整っており、指先で確かめられるたび、全身から汗が噴きでてくるほどの羞恥心に襲われる。
「あぁっ、は……ん~っ」
己の口から漏れた誘うように甘い艶声に驚き、慌てて口を腕で塞ぐと、やんわりと外される。
「俺の楽しみを奪うなよ。いくら声を上げたって隣には聞こえない」
だから聞かせろとばかりに容赦のなく全身を愛撫され、千尋は息も絶え絶えになるほど追い込まれていく。
太く長い指で濡れそぼった膣をかき混ぜられると、腰が跳ね上がり、反応を示してしまう。
千尋の感じる部分はどこかと探るようにあらゆるところに触れられた。
「はぁ……あ、あぁっ、もう」
喘ぎ声が掠れ、もう何度高みに押し上げられたかわからない。
髪を振り乱しながら意味もなくいやいやと首を振ると、両足を持ち上げられて、ようやく彼が中に入ってくる。
「ん……っ、ぅ」
一気に貫かれた衝撃に息が詰まる。
「ひぁっ」
ずんと腰を穿たれ、首を仰け反らせながらか細く悲鳴のような声を上げると、千尋の頬が大きな手のひらに包まれる。
「ようやく君を手に入れられた気がする」
幸せそうなその声にうっとりと目を細めると、唇が重ねられて、叩きつけるように体が揺さぶられる。
途切れがちの喘ぎ声の中で、「愛している」という言葉を何度となく伝えられ、熱に浮かされたまま言葉を返す。
その夜から、千尋の寝室は彼の部屋になったのだった。
エピローグ
大和と結婚しておよそ一年半が経った六月。
千尋は会議室の準備を整えると、受付からの連絡を待ち、一階に下りた。
「本日はご足労いただき、ありがとうございました。私、玖代ファクトリー、営業部の玖代と申します」
名刺を差しだすと、フードリオホールディングスの社長、後藤は、千尋の顔を見てはてと首を傾げた。
「君は……どこかで会ったかな?」
「以前、もぐもぐ食堂でご挨拶をさせていただいたことがございますね。ご無沙汰しております。後藤社長」
千尋が伝えると、合点がいったとでも言うように後藤は手を打った。
「あぁっ! やっぱり! そうかそうか」
「私も驚きました」
実は千尋も同じくらい驚いていた。まさか以前、もぐもぐ食堂で社長と呼ばれていた相手が、フードリオホールディングスの社長だなんて思うはずがない。
外食産業大手のフードリオホールディングスの後藤から、連絡があったのはひと月前。
大和の言葉通り、クマトイファクトリー改め玖代ファクトリーの玩具に興味を示してくれたようで、フードリオホールディングスの子会社のひとつで扱わせてもらえないかと連絡があったのだ。
玖代ファクトリーは徐々に売上を伸ばしており、大手百貨店内に専門店もいくつかできた。
量産体制も整いはじめており、従業員はすでに数百人にも及んでいる。
さらにフードリオホールディングスが経営する小売店で扱ってもらえれば、消費者に手に取ってもらう機会がぐんと増えるのは間違いない。
後藤の機嫌良さげな顔に安堵しつつ、会議室へと案内をする。
千尋は現在、玖代不動産の秘書室から、玖代ファクトリーの営業部へ出向中だ。といっても会社は同じビル内にある。