Good day ! 5
通話を終えると、翼はすぐさま倉科に尋ねた。
「キャプテン、PAを入れてもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「ありがとうございます」
翼はAudio Control Panelを機内アナウンスに切り替えてから、小さく息を吸ってMICボタンを押す。
「ご搭乗の皆様に、副操縦士の佐倉よりお願いいたします。当機は間もなく滑走路に到着し、離陸いたします。安全の為、シートベルトをしっかりとお締めください。皆様の命をお守りすることが、我々乗務員の義務であり、使命です。皆様のベルト着用を確認させていただいてから、飛行機を離陸させます。どうぞご理解とご協力をお願いいたします」
話し終えると、倉科がふっと口元を緩めて翼に笑いかけた。
「ナイスアシスト」
だが、またすぐに前を見据える。
機体はもうすぐ滑走路に到着しようとしていた。
果たしてどうなったのか?
じっと固唾を呑んで待っていると、ようやくインターホンが鳴る。
「コックピット佐倉です」
『L1伊沢です。お客様が降機を希望された為、オフロード対応をお願いいたします』
視線を左に動かすと、倉科がサムアップサインを翼に送った。
「了解。管制官にGTBを要請します」
『はい、よろしくお願いいたします』
翼はすぐさま管制官にグランドターンバックを要請し、許可が下りると、倉科は機体の向きを変えてスポットに向かった。
男性客を地上スタッフに引き渡したあと、再び許可を得て滑走路に戻り、今度こそ離陸する。
巡航に入ると、やれやれと肩の力を抜いた倉科が、シートにもたれて翼に笑いかけた。
「さすがは佐倉と恵真ちゃんの息子だな。なかなかいないよ、シップを丸ごと背負って飛ぶって気概のコーパイなんて」
「いえ、そんな」
翼は小さく首を振って視線を落とす。
「いいなあ。俺、ずっと独身のままでいいと思ってたけど、初めて子どもがほしいと思ったよ。こんな立派な息子がいるなんて、佐倉がうらやましい。でも、そうだな。佐倉と恵真ちゃんの息子だから、立派なんだろうな。俺が育てたら、きっとこうはいかない」
そう言って倉科は、ふっと小さく笑みをこぼす。
「楽しみにさせてもらうよ、君の成長を。パイロットとしても、一人の男としても」
そしてまた翼に笑いかけた。
「キャプテン、PAを入れてもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「ありがとうございます」
翼はAudio Control Panelを機内アナウンスに切り替えてから、小さく息を吸ってMICボタンを押す。
「ご搭乗の皆様に、副操縦士の佐倉よりお願いいたします。当機は間もなく滑走路に到着し、離陸いたします。安全の為、シートベルトをしっかりとお締めください。皆様の命をお守りすることが、我々乗務員の義務であり、使命です。皆様のベルト着用を確認させていただいてから、飛行機を離陸させます。どうぞご理解とご協力をお願いいたします」
話し終えると、倉科がふっと口元を緩めて翼に笑いかけた。
「ナイスアシスト」
だが、またすぐに前を見据える。
機体はもうすぐ滑走路に到着しようとしていた。
果たしてどうなったのか?
じっと固唾を呑んで待っていると、ようやくインターホンが鳴る。
「コックピット佐倉です」
『L1伊沢です。お客様が降機を希望された為、オフロード対応をお願いいたします』
視線を左に動かすと、倉科がサムアップサインを翼に送った。
「了解。管制官にGTBを要請します」
『はい、よろしくお願いいたします』
翼はすぐさま管制官にグランドターンバックを要請し、許可が下りると、倉科は機体の向きを変えてスポットに向かった。
男性客を地上スタッフに引き渡したあと、再び許可を得て滑走路に戻り、今度こそ離陸する。
巡航に入ると、やれやれと肩の力を抜いた倉科が、シートにもたれて翼に笑いかけた。
「さすがは佐倉と恵真ちゃんの息子だな。なかなかいないよ、シップを丸ごと背負って飛ぶって気概のコーパイなんて」
「いえ、そんな」
翼は小さく首を振って視線を落とす。
「いいなあ。俺、ずっと独身のままでいいと思ってたけど、初めて子どもがほしいと思ったよ。こんな立派な息子がいるなんて、佐倉がうらやましい。でも、そうだな。佐倉と恵真ちゃんの息子だから、立派なんだろうな。俺が育てたら、きっとこうはいかない」
そう言って倉科は、ふっと小さく笑みをこぼす。
「楽しみにさせてもらうよ、君の成長を。パイロットとしても、一人の男としても」
そしてまた翼に笑いかけた。