Good day ! 5
「やっぱりモテそうだな、泉くん。見た目だけじゃなく、やることもかっこいい」
伊沢はミールを食べながら、しきりに感心する。
「あんなにいい男から告白されたら、断る女の子はいないだろうなあ」
それを聞いて、舞はふいにハッとした。
(もしかして、美羽に指輪を贈ったのは、泉さんなんじゃ……)
美羽の「とーってもかっこいい人だよ」というセリフを思い出す。
(うん、きっと泉さんだ。あれ? 違うか。さっき泉さん、キャプテンに聞かれて、今は彼女いないって答えてたもんね)
じゃあ一体誰なんだろうと考え込んでいると、ミールを食べ終わった伊沢が顔を上げた。
「舞ちゃん。今のうちに、ラバ行ってもいいかな」
「もちろんです」
舞は最前部の化粧室が空室なのをモニターのランプで確認すると、インターホンでキャビンを呼び出した。
『はい、L1泉です』
「コックピット佐倉です。キャプテンがラバに行かれるので、どなたかコックピットまでお願いいたします」
『それでは私が、すぐに参ります』
過去の事故の教訓から、コックピット内は常に一人になってはいけない決まりがある。
その為、パイロットが二人体制の時は、代わりにCAがコックピットに入ることになっていた。
伊沢が席を立つと、入れ違いに泉がオブザーバーシートに座る。
舞は計器類をチェックしつつ、フライトプランを確認していた。
しばらくして、泉が小さく呟く。
「かっこいいなあ……」
え?と、舞は振り返った。
「あ、ごめん。君みたいに若い女の子が飛行機を操縦するなんて、ものすごくかっこいいと思って、つい」
「そうでしょうか?」
「ああ。俺、本当はパイロットを目指してたんだ。だけどあまりに勉強することが多いと分かって、諦めた。いや、違うな。単に意志が弱くて逃げたんだ。それでも空に憧れて、CAを選んだ。立派なパイロットである君から見たら、未練たらしくてかっこ悪い男だろうな、俺は」
そう言って自嘲気味に笑う泉に、舞は首を振る。
「いいえ、そんなこと全く思いません。だってCAさんも、すごくかっこいいじゃないですか」
「え?」
「親友の美羽から、いつも話を聞いています。キャビンで、どんなにCAさん達が奮闘してくださっているか。逃げ場のない機内で何時間も、大勢のお客様を相手にサービスと安全に全力を尽くしてくださっている。どんなお客様にもにこやかに対応し、なにが起こっても冷静に対処しなければいけない。時間も不規則で体力勝負のお仕事なのに、それを感じさせずにいつも笑顔で。私はそんなCAの皆さんを、心から尊敬しています。パイロットが飛行機を飛ばしているんじゃない。携わる全てのスタッフの力で、飛行機は空を飛べるんです」
舞の言葉に、泉は驚いたように目を見開いた。
「すみません、生意気なことを言って」
小さく頭を下げると正面に向き直り、舞は再びモニターに視線を落とした。
伊沢はミールを食べながら、しきりに感心する。
「あんなにいい男から告白されたら、断る女の子はいないだろうなあ」
それを聞いて、舞はふいにハッとした。
(もしかして、美羽に指輪を贈ったのは、泉さんなんじゃ……)
美羽の「とーってもかっこいい人だよ」というセリフを思い出す。
(うん、きっと泉さんだ。あれ? 違うか。さっき泉さん、キャプテンに聞かれて、今は彼女いないって答えてたもんね)
じゃあ一体誰なんだろうと考え込んでいると、ミールを食べ終わった伊沢が顔を上げた。
「舞ちゃん。今のうちに、ラバ行ってもいいかな」
「もちろんです」
舞は最前部の化粧室が空室なのをモニターのランプで確認すると、インターホンでキャビンを呼び出した。
『はい、L1泉です』
「コックピット佐倉です。キャプテンがラバに行かれるので、どなたかコックピットまでお願いいたします」
『それでは私が、すぐに参ります』
過去の事故の教訓から、コックピット内は常に一人になってはいけない決まりがある。
その為、パイロットが二人体制の時は、代わりにCAがコックピットに入ることになっていた。
伊沢が席を立つと、入れ違いに泉がオブザーバーシートに座る。
舞は計器類をチェックしつつ、フライトプランを確認していた。
しばらくして、泉が小さく呟く。
「かっこいいなあ……」
え?と、舞は振り返った。
「あ、ごめん。君みたいに若い女の子が飛行機を操縦するなんて、ものすごくかっこいいと思って、つい」
「そうでしょうか?」
「ああ。俺、本当はパイロットを目指してたんだ。だけどあまりに勉強することが多いと分かって、諦めた。いや、違うな。単に意志が弱くて逃げたんだ。それでも空に憧れて、CAを選んだ。立派なパイロットである君から見たら、未練たらしくてかっこ悪い男だろうな、俺は」
そう言って自嘲気味に笑う泉に、舞は首を振る。
「いいえ、そんなこと全く思いません。だってCAさんも、すごくかっこいいじゃないですか」
「え?」
「親友の美羽から、いつも話を聞いています。キャビンで、どんなにCAさん達が奮闘してくださっているか。逃げ場のない機内で何時間も、大勢のお客様を相手にサービスと安全に全力を尽くしてくださっている。どんなお客様にもにこやかに対応し、なにが起こっても冷静に対処しなければいけない。時間も不規則で体力勝負のお仕事なのに、それを感じさせずにいつも笑顔で。私はそんなCAの皆さんを、心から尊敬しています。パイロットが飛行機を飛ばしているんじゃない。携わる全てのスタッフの力で、飛行機は空を飛べるんです」
舞の言葉に、泉は驚いたように目を見開いた。
「すみません、生意気なことを言って」
小さく頭を下げると正面に向き直り、舞は再びモニターに視線を落とした。