Good day ! 5
それからしばらくして、翼と舞の27歳の誕生日がやってきた。

朝から美羽が「おめでとう!」と舞にプレゼントを渡し、出社していく。

翔一もフライトの前に部屋に立ち寄った。

「誕生日おめでとう、舞ちゃん。俺、今日からシアトルに行くから、先にプレゼント渡しておく。スイーツと俺の愛の詰め合わせ」
「ありがとう、翔くん。フライト気をつけて行って来てね」
「ああ。舞ちゃんは今日スタンバイだったよな?」
「うん、宅スタ」
「そっか。じゃあ俺が空に飛行機雲でハートマークでも描いてやるよ。ベランダから見てなって」

あはは!と笑って、舞は翔一の背中を押す。

「ほら、変なこと言ってると遅刻するよ。行ってらっしゃい。Good day!」
「舞ちゃんもな、Good day!」

笑顔で送り出すと、さてと、と部屋を振り返る。

掃除や洗濯の家事をこなしてから、テキストを広げて勉強を始めた。

午後になると遅めの昼食を作って食べ、夕食の下ごしらえも済ませる。

夕方にスタンバイの拘束時間が終わると、ベランダに出て空を見上げた。

「誕生日か……。どうせなら飛びたかったな」

このまま一人で部屋で過ごすのも味気なく、舞は思い立って空港に行くことにした。

(美羽とお兄ちゃんも、フライトを終えて帰って来る頃だし。お邪魔虫は退散しよう)

飛べないならせめて、誕生日にも飛行機を見たかった。

(わあ、なんだか新鮮)

展望デッキに行くと、ズラリと並んだ機体に舞は目を輝かせる。

「かっこいいな……」

笑顔で呟き、飛び立っていく飛行機を見送った。
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