Good day ! 5
「ナイスランディング……」

涙を堪えて、恵真が大和を見つめる。

「ナイスランディング。お疲れ様でした、キャプテン」

翼と舞も、目を潤ませながら声をかけた。

「ありがとう、恵真。翼も舞も」

大和は、ふうと大きく息をついて視線を前に戻す。

「俺は世界一幸せなパイロットだな。最後まで乗員乗客全員の命を守り切り、家族と一緒にラストフライトを終えることが出来た。自分で自分の人生に花丸をつけたい気分だ」

そう言って笑う大和に、翼と舞も泣き笑いの表情になった。

「恵真」

いつものように、大和は優しく恵真の名を呼ぶ。

「はい」
「ありがとう。空の上でも地上でも、いつも俺の一番のパートナーでいてくれて。恵真はどんな時も俺の支えでいてくれた」
「大和さん……。私の方こそ、あなたにどんなに助けられたか。ありがとうございました」

懸命に涙をこぼすまいと、恵真は声を震わせた。

そんな恵真の頭に手を置いて、大和は顔を覗き込む。

「恵真は最高にかっこいいパイロットで、俺が惚れた最愛の女だ」

途端に恵真は顔を赤くする。

大和はふっと頬を緩めて恵真に笑いかけると、翼と舞を振り返った。

「翼、舞。今度は二人の番だ。しっかりとパイロットの道を歩んでいきなさい。大丈夫、二人なら必ず幸せなパイロット人生を送れるよ」
「父さん……。俺達に大きな背中を見せてくれてありがとう。今までもこれからも、父さんは俺達の目標であり、憧れです」

翼の言葉に、大和も表情を引きしめて頷く。

「お父さん……。いつも温かく見守ってくれてありがとう。パイロットになれるか自信がなかった私を、力強く励ましてくれてありがとう。お父さんに守られて、お母さんに優しく包まれて、ここまで来られました。私、お父さんとお母さんの子どもで本当に良かった。これからはしっかり自分の足で歩いていくね」
「ああ、舞なら大丈夫だ。なんたって、俺と恵真の娘だからな」
「ふふっ、それって最強のDNAだね」

四人で顔を見合わせて笑い合う。

最後に大和は自分の肩に手を置き、ゆっくりと肩章を外した。

右の肩章は翼に、左の肩章は舞に。

それぞれの手のひらに載せると、包み込むようにしっかり握りしめた。

「ありがとう、お父さん。最高のお守りよ」

「そうだな。これさえあれば、なにがあっても大丈夫だ」

輝くような翼と舞の笑顔に、大和と恵真も微笑んで頷いた。
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