マモノ狩り或いは激情2オープンザゲート
 アンジーは驚いていた。
 拳ガイツとチュアンに教えていたバレルである。ジャブから続けて6連続で放つ繋ぎ技だが、白虎なる男、躱し様拳ガイツの左腕に打撃を当てて脱出していた。
 右左と立て続けに放ち、ほぼ挟み撃ちに近い速度で。
 その瞬時に、左へ回転、蹴り(涅槃)に移行。
 目の前に拳ガイツには、一瞬で姿が消えた様に見えたハズだ。それを躱したのは見事としか言いようがないが。
 教えてやりたい!そう思って叫ぶ瞬間。
 「クラップって言うんだ。覚えておいてよ!」白虎が丁寧に説明した。
 なるほど。アンジーは納得した。拍手。
 そう言われても納得するだけの速度。
 左手を打ち終えた時、その反動で自分もそちらへ移動。疾い。

 バレルの躱され方に虚を突かれたが、戸惑っている余裕はなかった。
 波打つ前蹴り、フィンである。
 同じ現象が起こった。クラップ。
 ぱん、という破裂音と共に白虎の身体は消えた。
 次の破裂音。
 白虎の右ローキックは、拳ガイツの軸脚の内側を捉えていた。
 大きくバランスを崩したが、なんとか転倒は堪えた。
 拳ガイツが振り向くと、白虎の左足は拳ガイツの右膝に乗っていた。
 シャイニング式。
 2000年代、プロレスラー武藤敬司が編み出した。膝を痛打酷使するムーンサルトプレス(武藤敬司のそれはラウンディングボディプレスと呼ばれる)に代わる必殺技として生み出された、相手の体の一部や物に1歩上がってからの膝蹴りである。シャイニングウィザード。
 1歩足を掛けるコトから、その型から繰り出される技のコトをシャイニング式と呼んだ。
 白虎のそれは、シャイニング式の涅槃である。
「ストライクレボリューション!」
高らかに、技名を叫んでいた。
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