新堂さんと恋の糸
 「手紙まで送ってくるなんて熱心な人だね。便箋五枚?すごいね、俺も読んでいい?」
 「読んでどうするんだよ、それより仮眠しろ」

 いくら取材に関することとはいえ、一応俺に宛てられた手紙だ。さすがに他人に見せるのはフェアではないだろう。

 俺はもう一度、便箋に目を落とす。

 便箋の二枚目――『高校生のとき、初めて新堂さんの受賞作品を見た衝撃は今でもはっきりと覚えています』から始まる内容は、これまでのメールには書かれていないことだった。

 自分の叶わなかった夢や俺に対する憧れ、俺の作品を通して発信したいこと。
 よくここまでストレートに書けるものだと、読んでいるほうが恥ずかしくなってくるような文章。

 「メールだけじゃなくて手紙までって、もうラブレターじゃない?」
 「……っ、変なこと言うな」

 玲央はくすくすと笑いながら「で、どうするの?」と面白そうに聞いてくる。
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