新堂さんと恋の糸
5. Signal
それから二週間ほど経ったある日、私はしばらくぶりに新堂さんの事務所を訪れていた。
「あ、ポメ子さんだ。久しぶり」
事務所に入ると、ちょうどマグカップにコーヒーを淹れていた玲央くんが出迎えてくれる。
「最近全然来なかったね?」
「あ、ちょうど締め切り間近だったので」
「そっか、ポメ子さんって編集者だもんね、一緒に仕事してると忘れてた」
軽く笑う玲央くんに私もつられてしまう。昨日が第一回の原稿の締め切り日で、それに間に合わせるためにここ数日はずっと編集部で缶詰状態だった。
「ポメ子さんも飲む?ついでだから淹れるけど」
「ありがとうございます、お願いしてもいいですか?」
今は無事に脱稿して、直属の上司である杳子さんがチェックをしてくれている。
(写真の方は選別や編集を有働くんが手伝ってくれたから、誌面はかなり良い出来になったと思うけれど、問題は私が書いた記事のほうだよね……)
これから大量の赤入れが返ってくることを覚悟しつつも、一つ目途がついたことにほっとして渡されたマグカップのコーヒーを飲む。
「ねえポメ子さん、ちょっとこっち来て」
そう言って、マグカップを渡してくれた手で手招きする。玲央くんにしては珍しくテンションが高い。
「あ、ポメ子さんだ。久しぶり」
事務所に入ると、ちょうどマグカップにコーヒーを淹れていた玲央くんが出迎えてくれる。
「最近全然来なかったね?」
「あ、ちょうど締め切り間近だったので」
「そっか、ポメ子さんって編集者だもんね、一緒に仕事してると忘れてた」
軽く笑う玲央くんに私もつられてしまう。昨日が第一回の原稿の締め切り日で、それに間に合わせるためにここ数日はずっと編集部で缶詰状態だった。
「ポメ子さんも飲む?ついでだから淹れるけど」
「ありがとうございます、お願いしてもいいですか?」
今は無事に脱稿して、直属の上司である杳子さんがチェックをしてくれている。
(写真の方は選別や編集を有働くんが手伝ってくれたから、誌面はかなり良い出来になったと思うけれど、問題は私が書いた記事のほうだよね……)
これから大量の赤入れが返ってくることを覚悟しつつも、一つ目途がついたことにほっとして渡されたマグカップのコーヒーを飲む。
「ねえポメ子さん、ちょっとこっち来て」
そう言って、マグカップを渡してくれた手で手招きする。玲央くんにしては珍しくテンションが高い。