新堂さんと恋の糸
 ◇◇◇◇

 私は玲央くんを仕事部屋へと運んだ。
 普段は可愛くて線が細くて可愛い見た目でも体格はやっぱり男の子で、私一人では引きずるようにしか移動できなかったけれど、どうにかソファーベッドに座らせてあげることができた。
 ずっと浅く速い呼吸を繰り返す玲央くんの背中を支えてゆっくりとさする。

 「玲央くん、いつもの部屋に着いたよ。新堂さんも来てくれたしもう大丈夫だから。一回身体を楽にしようか?横になったほうが楽だったりする?」

 小さく首を振る。私は前かがみの態勢のまま、なるべくいつものトーンを意識して落ち着かせるように話す。

 (確かこういうときは、大きく息を吸うような深呼吸じゃないほうがいいんだよね)

 私は吸った息を十秒くらいかけてゆっくり吐き出すように、伝わりやすいように区切って説明しながら、自分も一緒に呼吸をしてみせる。それを時間をかけて何回か繰り返していくうちに、だんだんと玲央くんの呼吸が普通のリズムになっていき、顔色も少し赤みが戻ってきた。

 「………ポメ子さん、」

 こちらを見て目がちゃんと合ったとき、私はようやくホッと息をついた。
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