再恋
第一章

Section1 新学期

鏡の前に立つと、見慣れない自分が映っていた。
真新しい制服は、まだ少しだけ硬くて、肩に力が入る。
スカートの裾を整えて、リボンの位置を直す。
これで大丈夫、と言い聞かせるように小さく息を吐いた。
「愛里、まだ?」
背後から聞こえた声に振り返る。
同じ制服を着た愛依が、腕を組んで立っていた。
「うん、今行く」
「毎回それ言うよね。ほら、遅れるよ」
そう言いながらも、愛依は待ってくれる。
私は鞄を持って、彼女の隣に並んだ。
家を出ると、春の朝の空気が頬に触れた。少し冷たくて、でも新しい。
同じ制服を着た生徒たちが、通学路にぽつぽつと増えていく。
「高校かぁ……」
私が呟くと、愛依は前を見たまま答えた。
「まあ、なんとかなるでしょ」
その声はいつも通り強気で、少しだけ安心する。
しばらく歩いたところで、愛依の歩幅がわずかに変わった。
視線の先を見ると、同じ制服を着た男子が十人ほど、道を塞ぐように固まっている。
「多くない……?」
「多いね」
そう答えた瞬間だった。
その中の一人と、目が合った。
黒髪で、少し癖のある前髪。
切れ長な目が、こちらをまっすぐ見ている。
心臓が一拍、遅れた。
すぐに視線を逸らそうとしたのに、周りの男子たちがこちらを見てざわつくのがわかった。
ひそひそ声。視線。にやにやした空気。
「……何あれ」
愛依が、低く呟いた。
「感じ悪」
次の瞬間、手首を掴まれる。
「行くよ」
「え、ちょ――」
返事をする間もなく、引っ張られて走り出した。
後ろの気配を振り切るように、無言で足を動かす。
校門が見えたところで、ようやく立ち止まる。
愛依は私の手を放して、息を整えた。
「……ああいうの、ほんと無理」
「う、うん……」
胸がまだ少し苦しい。
でも、それ以上何も言えなかった。
昇降口でクラス名簿を確認する。
並んだ二つの名前を見つけて、思わず顔を見合わせた。
「同じクラスだね」
「当然でしょ。双子なんだから」
教室に入ると、人はまだ少なかった。
窓際に一人、静かに外を見ている女の子がいる。
黒髪のボブで、前髪が少し重たい。
「……ねえ」
愛依が私を見る。
「話しかけてみる?」
「え、私?」
「でしょ」
一瞬迷ってから、私はその子に近づいた。
「あの……おはよう」
声をかけると、彼女は少し驚いたように振り向いたあと、ふっと笑った。
「おはよう」
「同じクラス、だよね?」
「うん。桃内莉子」
「戸田愛里です。こっちは、愛依」
「よろしく!」
気づけば、三人で自然と話していた。
そのとき、廊下の向こうからやけに騒がしい声が近づいてくる。
「うるさ……」
愛依が小さく言う。
振り向いた瞬間、また目が合った。
朝、通学路で見た男の子。
一緒にいた、明るい茶髪でパーマの男の子が、こちらに気づいて声を上げた。
「お、同じクラスじゃん」
「ちょ、優一、やめろって」
軽い調子で近づいてきたところで、他のクラスメイトたちが一気に教室に入ってきた。
「……タイミング最悪」
茶髪パーマの子がそう言って、流れはそのまま入学式へ向かうことになった。
体育館で、指定された席に座る。
隣に誰かが座る気配がして、何気なく横を見る。
 ――また。
 あの男の子だった。
 驚いて目を見開いた私とは違い、彼は私に気づいていない。
 ただ、体育館に掲げられた日本国旗を静かに見つめている。
「……」
声をかけることもできず、私は前を向いた。
入学式が終わり、教室へ戻る途中。
後ろから、他クラスの男子たちのひそひそ声が聞こえる。
「聞こえてるんだけど……」
愛依が小さく言う。
「無視しよ」
そう言って歩き続けた、そのとき。
「ねえねえ」
慌ただしい足音と一緒に、声がかかった。
振り向くと、さっきの茶髪パーマの男の子が立っている。
「同じクラスだよね?よろしく」
また、何かが動き出した気がした。
軽い声に呼び止められて、足が止まる。
明るい茶髪にパーマのかかった男の子が、距離を詰めて笑っていた。
「……えっと」
私が戸惑っていると、愛依が一歩前に出る。
「ちょっと、近いんだけど」
「え、そう? 普通じゃない?」
「普通じゃない」
きっぱり言われても、男の子はどこか楽しそうだ。
「あ、あの……戸田愛里です」
「お、ちゃんと名乗ってくれるんだ」
男の子はぱっと表情を明るくした。
「俺、橋優一。よろしくね、愛里ちゃん」
名前を呼ばれただけなのに、胸が小さくざわつく。
こういう距離感に慣れている人だ、と思った。
「……こっちは愛依」
「双子ね、了解」
そのとき、少し後ろから落ち着いた声がした。
「優一、もうその辺にしとけ」
振り向くと、短髪で色黒の男の子が立っている。
表情も声も落ち着いていて、場の空気が一瞬で変わった。
「雪也までそんなこと言う?」
「初日から飛ばしすぎ」
「えー、挨拶しただけじゃん」
「その距離感が問題」
淡々と言われて、優一は「はいはい」と両手を上げる。
「わかったって」
そう言ってから、急にこちらを振り返った。
「えーっと、こいつが柳田雪也。落ち着き担当」
「余計なこと言うな」
雪也は軽くため息をつく。
「で」
優一は、さらに後ろを指さした。
「無口なのが津島光誠。あんま喋んない」
一瞬だけ、黒髪の男の子がこちらを見る。
でも、すぐに視線を逸らした。
「……」
何も言わない。
それが、逆に印象に残った。
「で、こっちが瀬戸内春」
名前を呼ばれた男の子は、少しだけ首を傾げた。
「どうも」
短い一言。
声は静かで、どこか不思議な間があった。
その空気に、莉子が自然に入り込む。
「へえ、もう自己紹介大会?」
にこっと笑って、私たちを見る。
「朝からにぎやかだね」
「ほんとそれ」
愛依が即答する。
「元気なのは一人だけだけど」
「ひど!」
優一が大げさに肩を落とした。
雪也が時計を見る。
「そろそろ戻らないと」
「はいはい」
優一は軽く手を振る。
「じゃあまたね、愛里ちゃん」
「……はい」
返事をすると、男子たちはそのまま歩き出した。
最後に、私はもう一度だけ、津島と呼ばれた男の子を見る。
彼はもうこちらを見ていなかった。
名前を知っただけ。
それだけなのに、胸の奥に静かに残る。
――津島光誠。
まだ、それ以上のことは何もわからない。


教室に戻り、チャイムが鳴ると、さっきまでのざわつきが嘘みたいに静かになった。
黒板の前では担任の先生が淡々と自己紹介を始めていて、チョークの音だけが一定のリズムで響いている。
私は席に座り、鞄の中から筆箱を取り出した。
まだ新しいそれは、少し硬くて、机の上でうまく収まらない。
「……」
中身を出そうとした、そのとき。
ころん。
シャープペンシルが、机の端から床へ落ちた。
「あ……」
思わず小さく声が漏れる。
椅子を引こうとした瞬間、前の席の背中が邪魔で、うまく屈めない。
その間に、誰かの手が視界に入った。
すっと伸びて、床に落ちたシャープペンシルを拾い上げる。
「……はい」
低い声。
顔を上げると、隣の席の彼だった。
津島光誠。
さっき優一が勝手に紹介していた名前が、頭の中で静かに結びつく。
「あ、ありがとう」
受け取るとき、指先がほんの一瞬だけ触れた。
驚くほど冷たくて、でもすぐに離れる。
「……うん」
それだけ言って、津島くんは前を向いた。
それ以上、何もない。
でも、心臓の音だけが、少し大きくなった気がした。
黒板に視線を戻す。
先生の話は続いているのに、内容が頭に入ってこない。
――ただ拾っただけ。
それだけのことなのに。
横目で見ると、津島くんはノートを取りながら、まったく普段通りの様子だった。
さっきの出来事など、最初からなかったみたいに。
前の席から、愛依がちらっとこちらを振り返る。
一瞬だけ目が合って、すぐに前を向いた。
気づいた、と思った。
さらに斜め前では、莉子が退屈そうにペンを回している。
ふとこちらを見て、意味ありげに小さく笑った。
「……?」
首を傾げると、彼女は何も言わずにノートに戻った。
授業は淡々と進む。
チョークの音、ページをめくる音、椅子の軋む音。
その中で、私は何度も、さっきの指先の感触を思い出してしまう。
視線を前に向けたまま、津島くんが一度だけ、ペンを持ち替えた。
それだけで、なぜか存在を意識してしまう。
まだ、名前を知っただけ。
会話も、ほとんどしていない。
それなのに。
授業の終わりを告げるチャイムが鳴ったとき、私は少しだけ、ほっとしている自分に気づいた。
同時に、
――次の授業も、隣なんだ。
そんなことを考えてしまった自分に、少し戸惑いながら。


四時間目が終わり、教室の空気が一気に緩んだ。
椅子を引く音や、誰かの笑い声が重なって、昼休みが始まる。
「お昼、どうする?」
莉子が弁当袋を取り出しながら言う。
「教室でいいよね」
「うん」
私と愛依も同時に頷いて、三人で窓側の席をくっつけた。
窓から入る春の光はまだ柔らかくて、教室の隅まで明るい。
お弁当の蓋を開ける音が、やけに大きく感じた。
「愛里のお弁当、きれい」
「え、そう?」
「双子なのに全然違うよね」
「私は味重視だから」
愛依はそう言って、気にせず箸を進める。
そのときだった。
「お、いいとこじゃん」
聞き覚えのある声。
顔を上げると、優一がいつの間にか目の前に立っていた。
「一緒に食べよ」
「は?」
愛依の反応は即座だった。
「なんで」
「え、昼だから?」
「理由になってない」
優一は気にした様子もなく、空いている椅子を勝手に引く。
「細かいこと気にしない気にしない」
「気にする」
そう言いながらも、完全には止めないあたりが愛依だった。
その後ろから、少し遅れて三人がやってくる。
「……やっぱ来たか」
雪也が軽く呟く。
「優一が先に行くと、だいたいこうなる」
「わかってるなら止めて」
「無理」
淡々と答える雪也の横で、春が教室を見回した。
「ここ、空いてる?」
「……どうぞ」
莉子が自然にスペースを作る。
最後に、津島くんが立っていた。
一瞬だけ迷うように視線を動かしてから、私の隣ではなく、少し斜め前の席に座る。
距離はある。
でも、同じ輪の中だ。
「結果的に、七人だね」
莉子が楽しそうに言う。
「クラスの半分占拠してない?」
「気のせい」
優一は弁当を広げながら、当然のように話し続ける。
「ていうかさ、女子三人って仲良すぎじゃない?」
「今日知り合ったばっかだけど」
「でももう一緒に昼食べてるし」
「距離感おかしいの、そっちだから」
愛依がぴしっと返す。
そのやり取りを聞きながら、私は箸を動かす。
視線を上げると、津島くんが黙々と食べているのが見えた。
音を立てず、必要以上に話さない。
でも、雪也や春が話すときは、ちゃんとそちらを見る。
「津島さ、静かすぎ」
優一が急に言う。
「今さら」
「感想とかないの?」
「……特に」
短い答え。
「ほらな」
春が小さく笑った。
「でも聞いてるよ」
「聞いてるなら返事しなよ」
「聞いてるだけ」
その会話に、莉子がくすっと笑う。
「面白いバランスだね」
「でしょ? これが俺たち」
優一は満足そうだ。
ふと、津島くんが箸を止める。
視線がこちらに向いた……気がして、私は少しだけ背筋を伸ばした。
でも彼は、すぐに弁当に目を落とす。
勘違いかもしれない。
それでも、同じ空間で同じ時間を過ごしていることが、
朝よりも、授業中よりも、はっきりと感じられた。
「昼休み、短いね」
雪也が時計を見る。
「ほんと。もう終わりそう」
「じゃあ次も頑張りますか」
優一が大げさに立ち上がり、近くにいたのにもう席が離れていく。
それなのに、不思議と、さっきよりも距離は近づいた気がした。
私は弁当箱の蓋を閉じながら、この昼休みを、静かに心の中にしまった。


午後の授業はそのまま部活紹介と体験の時間に切り替わった。
校内のあちこちで、先輩たちの声や笛の音、笑い声が重なっている。
私は、クラスの列に混じって校舎を出たとき、ふと視線を横に流した。
ちょうどその先に、グラウンドが見えたからだった。
運動部の紹介が始まっているらしく、走る音や掛け声が風に乗って届くその喧騒の向こう、グラウンドの端――校舎寄りの場所で、キャンバスを立てている生徒が目に入った。
「あ……」
無意識に、声が漏れた。
白いシャツに身をかがめ、絵筆を動かしているその姿は、間違えようがなかった。
黒髪が少し前に落ちて、真剣そうに何かを描いている。
(津島くん……?)
美術部の体験。
そう書かれた看板が、その近くに立っている。
自分でも驚くほど、気づいたときには足が動いていた。
「……津島、くん」
呼びかけると、彼は一瞬だけ筆を止め、ゆっくり顔を上げた。
切れ長の目が、少しだけ見開かれる。
「……戸田」
名前を呼ばれただけで、胸が小さく跳ねた。
「美術部、来てたんだね」
「……通りすがり」
短い返事。けれど、そっけなさはない。
そのまま、なんとなく並んで歩き始める。
一緒に回ろう、なんて言葉はなかったのに、気づけば隣にいた。
運動部の賑やかな呼び込みを横目に、別の部活の説明を覗き込み、時々立ち止まる。
会話は多くない。それでも、沈黙が気まずくなることはなかった。
やがて、別々の部活を見て回ろう、という流れになった。
ほんの少し離れた場所。同じ中庭を挟んで、別のブース。
私は展示物に目を向けながら、説明を聞いていた。
そのときだった。
「一年生?」
背後から、低い声がした。
振り返ると、三年生らしい男子が立っていた。
名札と、余裕のある笑み。
「どこのクラス? 一人?」
一歩、距離を詰められる。
言葉にできない違和感が、背中を這い上がった。
「あ、えっと……」
返事に詰まった、その瞬間。
ぎゅっと、手首をつかまれた。
「こっち」
短く、低い声。
気づけば、引き寄せられていた。
状況を理解する前に、私の体は津島くんの動きに従っていた。
校舎の影。
人目の少ない裏手へと、足早に連れていかれる。
「……大丈夫?」
手を離され、問いかけられる。
私は、少し遅れて頷いた。
「……ありがとう」
胸の鼓動が、まだ速い。
津島くんは何も言わず、少しだけ視線を逸らした。
けれど、その立ち位置は、自然と愛里を庇うようだった。
校舎裏には、遠くの喧騒だけが響いている。
さっきまでと同じ学校なのに、まるで別の場所みたいだった。
校舎裏は思った以上に静かだった。
遠くで聞こえる掛け声や拍手が、壁に遮られてぼやけている。
私は、まだ少し速いままの心臓の音を落ち着かせようと、深く息を吸った。
「……さっきの人、知り合い?」
問いかけると、津島くんは首を横に振った。
「知らない」
「じゃあ、どうして……」
言いかけて、言葉が途切れる。
「……嫌そうだったから」
それだけ言って、彼は視線を落とした。
理由はそれ以上でもそれ以下でもない、というように。
「……ありがとう」
もう一度、そう言うと、津島くんは少しだけ困ったように眉を動かした。
「……気にするな」
沈黙が落ちる。
でも、不思議と居心地は悪くなかった。
「美術部、どう?」
何気なく聞くと、津島くんは一瞬考えてから答える。
「……静かで、いい」
「津島くんに合ってる気がする」
そう言うと、彼は一度だけど私の方を見た。
「……戸田は?」
「私は……まだ、迷ってる」
何かを始めることに、少しだけ怖さがあった。
津島くんは、少し間を置いてから言った。
「……ゆっくりでいいと思う」
その言葉が、胸の奥に静かに落ちた。
チャイムの音が、校舎に響く。
体験時間の区切りを知らせる音だった。
「戻るか」
「……うん」
並んで歩き出す。
さっきより、歩幅が自然に揃っていた。
校舎裏を抜ける直前、ふと足を止めた。
「……さっき、手」
そう言いかけ津島くんが振り返る。
慌てて「いや」と言って、
「助けてくれて、本当にありがとう」
本音だった。心からありがとうって。
一瞬、彼は言葉に詰まったように見えた。
「……ああ」
短く答えて、先に歩き出す。
その背中を見ながら、私は胸の奥に残る温もりに、気づいてしまった。
校舎裏を抜けても、胸の奥がまだ落ち着かなかった。
歩いているはずなのに、心だけが少し遅れているみたいだった。
(……守られたんだ)
そう思ったのは、校舎の影から人の気配が戻ってきてからだった。
助けてもらった、という言葉よりも、誰かが自分の前に立ってくれた、という感覚のほうが近い。
あの時、声をかけられて。
どう返せばいいのかわからなくて、ただ立ち尽くしていた私の手を、津島くんは迷いなくつかんだ。
『こっち』
それだけだったのに、不安でいっぱいだった頭が、一瞬で静かになった。
「久しぶりだな…」
津島くんに聞こえないようにつぶやく。
何も言わなくても引っ張ってくれる人に出会ったのは久しぶり。
横を歩く津島くんを見る。
表情はほとんど変わらない。
まるで、さっきのことが特別でも何でもなかったみたいに。
でも、だからこそ。
(どうして、そんなふうに動けるの……)
私が戸惑っているのを見て、理由を聞くより先に、行動した。
怖くなかったのかな、とか。
面倒じゃなかったのかな、とか。
そんなこと、全部どうでもよさそうに。
部活体験の人混みが近づいたとき、津島くんが少しだけ前に出た。
「……人、多いから」
それだけ言って、歩く速さを落とす。
――あ。
気づいてしまった。
この人は、きっといつもこうなんだ。
大げさなことは言わないのに、必要なときに、必要なだけ動く。
(……ずるい)
そんなことされたら、何も感じないほうが難しい。
胸の奥が、きゅっと締めつけられる。
でも同時に、思い出した。
――恋愛は、怖い。
――もう、失いたくない。
なのに…。
津島くんの背中を見ていると、その怖さが、ほんの少しだけ薄れている気がした。
まだ、何も始まっていない。
ただ一緒に歩いて、言葉を交わしただけ。
それなのに。
(……この人となら)
考えてしまった自分に、慌てて首を振る。
今はまだ、だめ。
そう思っても、手を引かれたときの感覚が、消えてくれなかった。
それが、私が初めて「誰かに守られた」とはっきり感じた瞬間で、
そして――
恋に向かってしまう、いちばん最初の一歩だったことを。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop