婚約破棄されたぽちゃOL、 元スケーターの年下ジムトレーナーに翻弄されています

 頬に当たる風が冷たい。

 収まらないイライラに加えて、じわじわと自己嫌悪も襲ってきた。

 大人なのに、あんなことで思いっきり怒ってしまった。
 いつもの仕返しで「そんなこと言うなんて、私のこと好きなの?」とでも言ってからかってやればよかったのに。
 
 そんな心の余裕もない自分に、ため息をつく。
 しばらく歩いていると、バッグの中からスマホの通知音がした。

 ドキリとして立ち止まる。

 さっきまで喧嘩していた顔を思い浮かべ、確認するべきかどうかぐるぐると考える。
 見たいような、見たくないような。

「……バカみたい、なに期待してんの」

 覚悟を決め、バッグに手を突っ込んでスマホを掴み取る。

 吉光さんからのメッセージが二件。
「来週ご飯どうかな」「大事な話がしたいんだ」と続けて届いていた。
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