二次元彼氏がいるのでリアルな恋は遠慮します
「大丈夫ですか? もっとこっちにこれますけど」
「そしたら、桐島くんのこと押し潰しちゃうよ」
「そんなやわにできてませんよ」
――そうかもしれないけど、私が気にする!!
仮にも彼は後輩なのだ。
見知らぬ赤の他人であれば何も思わないかもしれないけれど、桐島くんと向き合った状態で体を寄せるのは躊躇ってしまう。
なんとか体がくっつかないように踏ん張るも、数秒後に訪れた揺れで呆気なく負けてしまった。
「わっ!」
「俺に捕まってください」
ほとんど不可抗力でぎゅっと桐島くんに抱き着く形になってしまって、顔を上げられない。
それから十五分は同じ体勢のままで、私は無心に彼のネクタイの柄を見つめた。
「それじゃあ、俺はここなんで」
「う、うん」
結局、彼が降りる駅まで電車は満員で、挨拶もそこそこに彼がホームへと押し流されていく。
私はやっと一息つくと、ホームにいる彼に軽く手を振った。
――あ、振り返してくれた……。
表情は固いまま、それでも控えめに手を振ってくれた彼に嬉しくなる。
私はほくほくとした気持ちでスマホを開くと、ゲームではなくメッセージアプリを開いた。
「そしたら、桐島くんのこと押し潰しちゃうよ」
「そんなやわにできてませんよ」
――そうかもしれないけど、私が気にする!!
仮にも彼は後輩なのだ。
見知らぬ赤の他人であれば何も思わないかもしれないけれど、桐島くんと向き合った状態で体を寄せるのは躊躇ってしまう。
なんとか体がくっつかないように踏ん張るも、数秒後に訪れた揺れで呆気なく負けてしまった。
「わっ!」
「俺に捕まってください」
ほとんど不可抗力でぎゅっと桐島くんに抱き着く形になってしまって、顔を上げられない。
それから十五分は同じ体勢のままで、私は無心に彼のネクタイの柄を見つめた。
「それじゃあ、俺はここなんで」
「う、うん」
結局、彼が降りる駅まで電車は満員で、挨拶もそこそこに彼がホームへと押し流されていく。
私はやっと一息つくと、ホームにいる彼に軽く手を振った。
――あ、振り返してくれた……。
表情は固いまま、それでも控えめに手を振ってくれた彼に嬉しくなる。
私はほくほくとした気持ちでスマホを開くと、ゲームではなくメッセージアプリを開いた。