29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
「いえ、私はまだまだです」

「あなたと藤川君は対等ですよ」

思わずレイナは絶句してしまった。田森の意図が読めなかったからだ。

「若い方たちの中で何かあったんでしょう?長年、この仕事をしていれば、空気でそれぐらいわかりますよ」

そんなことまで見抜かれているかと思うと、情けないし、恥ずかしい。レイナは有耶無耶にしたくて何も答えなかった。

自分は褒められたもんじゃない。

これから華恵に対してどう弁明して、償っていくかの道筋は立っていない。このままずっとわだかまりを抱え、必要最低限しか口をきかない関係になってしまうのかもしれない。だが、それも身から出た錆だ。

藤川に対してはどうけりをつけるべきか。気持ちの整理がいまだについていない。

やっと大宮駅行きのバスが来た。田森は、暑さで今度は立ち上がるのが辛い、と言うので、レイナは手を貸した。

この手が田森と繋がって、タイムリープできたら、どこへ戻ろうか?

今朝か?あの七夕の夜か?はてまたこの事務所に入る前か?

わからない。

そんな非現実的な現象が起こるはずもなく、レイナは田森とともにバスへ乗り込んだ。
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