29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
「だから、昔は新宿の大規模事務所にいたみたいなんだよね。その時の同僚の一人がさっきの府中の事務所の所長ってこと」

「それはご挨拶できず、残念です」

「レイナは真面目だね。俺なんか面倒だから、顔合わせなくてラッキーぐらいにしか思ってないよ」

高井戸が近づくに連れて道路の進み具合の雲行きが怪しくなってきた。

「二十年ぐらい前だったかな、その田森所長がいた事務所の所長が突然死したらしいんだよね。脳だか心臓だかの疾患で。いわゆる朝目覚めず、そのまま逝ってしまった的な。それが原因で、その事務所は解散してしまって、各々が独立したらしい」

「へえ」

「元々、方向性の違いが水面下であったけど、所長がカリスマ的でうまく全員を束ねてたようでさ。それがいなくなったことで、一気に亀裂が表面化したみたいだね」

首都高が地下に入る頃には、ブレーキを踏む回数が増えてきた。

「田森所長の信念は、身近にある困り事を解決する手助けをすること、みたいなんだけど、これがそんなに共感を得られるものじゃなかったようでね」
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