29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
「待ってください。私たちまだ付き合ってないですよね?」

「ごめん、そういう意味じゃないよ。食事でもどうかな、と思って」

何と返していいのか、レイナはわからなかった。これまで藤川とは挨拶ぐらいしか交わしたことはなく、二人きりでどんな会話をしたらいいのか、皆目見当がつかなかったのだ。

「私、都合のいい女にはなりませんよ」

レイナは藤川の目を見た。

「うん、わかった。もちろん、お互い年齢も年齢だし、結婚前提で付き合った方がいいかな、と思うけど、どうかな?」

結婚。

考えたこともない言葉を、次から次へと浴びせられる。

「それとも他に好きな人とかいるの?」

好きな人。そういえば、と思い、レイナはスカートのポケットからある写真を取り出した。そして、印籠のように藤川の前に突き出した。

「星雪歌劇団月組男役トップスター桐乃ヒロトさんが好きです」

途端に藤川は笑い出した。

「そうなんだ。でもそれって推し活でしょ」

事務所が入るビルの前の路上を爆音車が通過していた。かかっている曲はYOASOBIの「アイドル」だ。
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