29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
灼熱の八月は過ぎ去ったが、まだまだ蒸した大気が残る九月を迎えた。

あのキスがあって以降、藤川は事務所内で関係を内密にしなくなった。普通にレイナに話しかけるようになり、華恵の前でも「レイナ」と堂々と名前で呼ぶようになった。華恵はそれを聞いても、特に反応する様子はない。どうやらそれで癪に障ることもなくなったようだ。

レイナは当初はかなり神経質になって華恵と田森の顔色を窺っていたが、二人とも何食わぬ顔を崩すことはないため、いつの間にか気を遣うこともしなくなった。

そんな中、藤川にある指令が田森から下った。山陰にいる田森の息子の事務所にて、大型集団訴訟案件が入り、藤川に応援部隊として行ってきて欲しい、というのだ。原告が百名近くおり、田森の息子一人では対応し切れないためだ。

期間は一ヶ月間。戻りは十月六日の予定だ。

出発の直前の土曜日、レイナは藤川から飲みに行くのに付き合って欲しい、という申し出を受けた。
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