29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
レイナは夜景に目が釘付けになった。

「レイナ、成長したな」

「何がですか?」

窓の外に集中していたレイナは藤川を見た。

「だって二ヶ月前は、俺と一緒にホテルの敷居跨ぐのはイヤだって言ってたから」

「私だって逞しくなりましたよ。あの暴漢退治をしたからかもしれません」

藤川はエレベーターの窓に手を突き、レイナを挟んだ。

「レイナ、いつまで心の武装を続けるの?」

いつになく、藤川は真剣な面持ちだ。どこか切羽詰まっているようにも見える。

どうしたというのか。普段と違う藤川に、レイナは少し動揺した。

見つめられ続けると、あのキスをした夜が脳裏に蘇ってきてしまう。

冷静に考えれば、田森が事務所名義で所有している車で、なんてことを仕出かしてしまったのか、と思うし、出かける前に「何もしない」と言っていた約束を反古にした、という点でも突っ込みどころは満載である。

それでも、もうそんな野暮な小言を吹っかけるほど、レイナは藤川に対し、情けを抱いていないわけではない。
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