29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
「ずっと考えてた。あと一歩縮めるためにはどうすればいいのか、を」

他の客がどんどんと退いていき、店員の片付けをする音ばかりが目立つようになる中、二人だけが窓際に取り残された。

「離れてしまう前に、レイナにどうしても触れたい」

薄々、わかっていた。こうなる日が近い、とは。あのキスをした夜から、覚悟はしていた。いや、あの七夕の夜から、予期はしていたのかもしれない。レイナは乱れる呼吸の合間になんとか返事を差し挟んだ。

「...いい...です...よ...」

藤川がレイナを直視した。その瞳は濡れるように色っぽい。

「ありがとう」

二人はバーを出て、エレベーターで一旦、降下した。一階のフロントでチェックインをするためである。また庫内に他の乗客はいなかった。それでも、今回は夜景を眺める気にレイナはならなかった。無言のままエレベーターは降りていく。あと少しで一階という位置まで来たところで、藤川が口を開いた。

「これから、敬語は禁止」

「えっ?でも...」

「これから関係が劇的に変わる。それと、名前で呼んで」

「えっ?無理です...」

「無理じゃない。ほら、敬語止める。名前で呼んでみて」

「りょ、亮...也...さん...」

少女のようにレイナは頬を赤らめた。それを見て藤川は微笑んだ。
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