29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
「だって...」

「試験採点官はいない。誰にも評価されない。だから、リラックスして」

そう言われても、落ち着けるわけがない。部屋の中心は、キングサイズの寝台一台で占められている。レイナは壁に貼りついて、立ったままで俯いた。

「とりあえず、交代でシャワー浴びよう。先に入る?」

本当にするんだ。了承した以上、腹をくくらないと...。

「親に帰らないって電話しないとなんで、亮也さんが先にどうぞ」

「そっか。ご両親は大丈夫かな?」

「さあ。出てきていなかったら、お目玉喰らって戻されたって、思ったら」

「ちょっと、レイナ。逃げるなよ」

「もう終電出てるでしょ?逃げられないから、安心して」

実際には、両親からさっさと戻ってこい、と叱責されたとしても、レイナは今夜帰るつもりなど、もうない。

根負けしたのか?それとも諦観からか?

そのどちらでもない気がする。

「それじゃ、先に浴びるよ。少し休憩してて」

「あっ、待って」

玄関脇のクローゼットから、レイナはハンガーを取り、バスルームに入りかけた藤川に渡した。
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