29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
バスルームからシャワー音が漏れ聞こえてきた。

現実逃避したくて、レイナはベッドの向かいにある、画面の大きな薄型液晶テレビをつけた。

ウクライナ情勢を伝えるニュースが映し出される。迷彩服を着た軍人が、瓦礫の山の中を、ライフル銃を抱えながら走っている。

うんざりする凄惨さに堪えかね、レイナはチャンネルを回した。アニメ、ドラマ、バラエティーと、一通りのジャンルが放送中のようだ。しかし、そのどれもが、頭に入ってこなかった。

レイナは今、無心、なのだ。

いくつも変えているうちに、ローカル局なのか、ホテルが契約している有料放送なのか、音楽番組にたどりついた。そこは、ただミュージックビデオのみをひたすら流し続けているだけのようであった。

合わせた時は、ちょうどAdoの「新時代」がかかっていた。

疾走感があり、明るい曲調に、レイナは心と耳を委ねた。

何も考えずに...。

次に、数年前にヒットしていた、「パプリカ」に切り替わった。

夜中に似つかわしくない曲が続く皮肉にも、今のレイナには逆に光明に思えた。
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