29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
10 逡巡、そして...

「今夜、飲みに行きません?」

週が明けて月曜日から、藤川は山陰に出張へと出かけた。レイナの左隣のデスクは当然、空きっ放しとなった。

あの夜の翌日の日曜日の朝、新宿駅で別れ際、夜ならいつでも電話していい、と藤川は言っていた。しかし、レイナは自分から連絡を取ることには尻込みしてしまう。しつこいとか、KYだと思われたらどうしようと、漠然とした不安が過ぎるからだ。

そのまま一週間と少しが経過した。

その翌日は、保護犬の引き取りに、NPO法人の事務所を訪れる予定である。住所と担当者の名前を確認するため、田森から名刺を貸してもらい、スマホで読み取りをしていた際であった。

「あっ、先輩、明日がワンちゃんの引き取りでしたっけ?」

華恵がレイナの顔を覗き込んできた。レイナはびっくりして、目を丸くしてしまった。

「やだな、先輩。とーっくに吹っ切れてますよ。この通り、髪もばっさりとしましたしね。古いけど」

華恵は肩の上まで切り落とした髪をサラリと撫でてみせた。

「ハナちゃん、そうなの。明日が引き取りだよ」
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