29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
田森の息子の妻の陥った苦悩は、人ごとではなく、ともすればレイナも辿っていたかもしれないと言える。そう考えると、レイナは文句を言いながらも、学費を出してくれた両親に、反抗するのではなく、感謝をしなくてはいけない、と反省した。

「私がここに来る三年ちょっと前ですかね、息子さんに山陰の方でたまたま縁ができて、それを機に心機一転、拠点を移そうか、ってなったって聞きました。奥さんは犬の世話してる時は落ち着いてたみたいで。それで、向こうに行って、どんどんのめり込んで、気づけば六匹になったってわけですよ」

藤川が田森の息子の妻について語った時、回りくどくてお茶を濁したような表現をしていたのをレイナは思い出した。これらの経緯を知っていたから故だったのだろう。

「そっか。奥さんの心を癒してくれるのが犬だってことだね」

「向こうに行ってからは自殺未遂止めたようですよ」

「生き甲斐が見つかったってことだよ。それにしても、ハナちゃん、こっそり聞いたにしては、それは聞きすぎ。噂話のレベルだよ」
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