29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
11 濡れる瞳

「この髪飾りですけど、本当は自分で買ったんじゃないですよね?」

「もうっ、先輩っ、言ってくれれば最初から私が結いましたよ」

ブラシでレイナの黒髪を梳かしながら、華恵が不満をぶつけてきた。

「ごめんね。もうハナちゃんは退勤だろうから、悪いなと思ってなんとか自分で対処しようとしたんだけど、ダメだったね」

トイレでレイナは髪を結い上げようと試みていた。しかし、不器用なため、うまくいかず悪戦苦闘していたところ、退勤前に使用しようと入ってきた華恵と鉢合わせた。そこでレイナの苦戦ぶりを見兼ねた華恵が、ヘアセットを買って出てくれたのだ。

「そんな遠慮しないでいいんですよ。なんたって今日はお待ちかねの再会の日ですもんね」

「うん。そうなんだよね」

今日は十月六日だ。今夜、藤川は山陰から東京に戻る。

「お迎えって、どっちですか?羽田ですか?それとも新幹線?」

「東京駅。十時過ぎだって聞いてる」

レイナのセミロングの髪を、華恵は器用にクルクルと巻き、毛先を見えないように中に押し込んだ。

「だとすると、あと三時間ちょっとですね」
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