29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡

「違う、違う。その瞳じゃない」

違う、違う。

その瞳じゃない。

恋をしている女性の瞳は、哀愁が灯るものである。

突き抜けるように明るいわけはないのだ。それではアイドルの営業スマイルと同様にすぎない。

女性が愛しい相手に向ける瞳は、切なく、寂寥感を宿して、潤んでいる。

まだ彼女はそれを自分に向けてはいない。

午後七時に岡山駅から東京行きののぞみに藤川は乗車した。ちょうどそのタイミングで、レイナからメッセージが届いた。話があるので、東京駅まで行く、とあった。

何を話したいのであろうか。

夜間に外出をしたがらないレイナが、自分から来るという。そんなに重大なニュースがあるというのか...。

新神戸を通過して行く。レイナが好きな星雪歌劇団の本拠地がある場所だ。

あの七夕の夜、レイナが星雪歌劇団のトップスターが好きな人です、と言った時は魂消た。意外なライバルの出現に、どう攻略していいか、熟考したものである。

レイナの存在は藤川のそれまでの女性像からは掛け離れており、異質だった。
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