29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
3 蘭の花に囲まれて華の乱

「どうする?伝えちゃった方が荷が下りるかもよ」

あのプールの夜から一週間が経った。

翌日の朝を含め、事務所では互いに何事もなかったかのように、振る舞っている。

だが、レイナの心中は穏やかでいられるはずがなかった。

首筋とはいえ、キスをされたあの感触を、忘れようと思っても忘れることができない。

強く抱きしめられた際に触れた引き締まった肉体の弾力は、思い出すだけで心臓が高鳴ってしまう。

平然と仕事をしているつもりでも、隣にいるだけで、同じ空間にいるだけで、姿が見えるだけで、胸が苦しくなる。

好きになってはいけない。

頭ではわかっているのに、身体は本能に従って反応しているようで、それが悔しい。

それでも華恵の相談には乗り続けていた。その時、自分がどんな顔をしていたのかはわからないが、澄ました顔をしていたとは思う。

華恵の話を聞いていることも、他人行儀な助言をしていることも、日に日に辛くなっている。

罪悪感に苛まれ、レイナは胸が痛い。

こんなことで悩んでいるほど、今の自分に余裕はない。
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