29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡

「狙った獲物を仕留める、かな」

私はどうしてしまったのだろう...。

トイレから出ると、見知った顔がレイナの視界を直撃した。

「今日は一段と色っぽいこと」

瞬時にレイナは固まった。いつの間にか藤川は壁に手をつき、レイナの行く手を阻んでいた。

「浴衣って暑いんです。汗臭いと思うので、あんまり近づかない方がいいです」

「レモンのいい香りがする。そそるんだけど」

レイナの耳元に藤川は鼻を寄せた。その視線は明らかに自分の胸元にあった。

「ちょっ、ちょっと、やめてくださいっ。誰か来たらどうするんですかっ!?」

「いいじゃん、もう、限界なんだけど、俺は」

この日のために買って下ろしたばかりの履き慣れない草履のため、鼻緒が指に擦れて少し痛む。それもあってかレイナはよろけてしまった。そのレイナの腰を、藤川は抱きとめて支えてくれた。レイナはすいません、と藤川に礼を述べた。

「まったくからかいがいがあるね」

いつもの屈託なく笑う藤川に戻っていた。藤川はそのままお手洗いへ向かった。それを見届けてからレイナはエレベーターに乗り込み、動悸をなんとか鎮めながら、屋上へ戻った。
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