【完結】恋はあの人に、堕ちたのは君に。〜今日も意地悪な同期の腕の中で〜
(……どうしよう。今、すごく、触れてほしいって思っちゃった…っ)


内心のその思いを、どうしても言葉にできず、有紀は目を伏せた。



そんな彼女の様子を、高峰は黙って見下ろす。


少しだけ揺れるまつげ。

ほんのり染まった頬。

そして、わずかに潤んだ瞳。


(……そんな可愛い顔されたら、ほんとに我慢できなくなるんだけど…)


喉の奥に、熱が残る。
けれど──高峰はゆっくりと自分を制すよう息を整えて、笑った。


「……続きは、あとで」


その言葉は、甘い約束のように、
けれど確かな“抑えた熱”とともに、ふわりと有紀の耳に落ちた。


「……っ」


思わず、顔を上げた有紀と目が合う。


その目の奥には、まだ消えきらない熱があった。


「……ご飯食べて、シャワー浴びて、それからね」


有紀の視線が泳ぐ。


「そ、それって……」

「そういう意味」


短く笑って、額にそっとキスを落とす。


「……楽しみにしてて」


耳元に響く、低く、甘いその囁きは、柔らかいのにぞくっとするほど色っぽくて、
有紀の胸は、たちまち早鐘を打ち始めた。

(……ど、どうしよう……)


自分の身体が、次に来る“あとで”を期待してるのが分かってしまって、恥ずかしいのに──嬉しかった。


そして何より。


その“あとで”を約束してくれる彼のやさしさに、
有紀の心はじんわりと、あたたかく満たされていくのだった———






(fin.)




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