エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
1・ろくでもない男は弁護士
 5年間、親切な職場の店長さんとその息子さんの力を借りて双子の姉弟を育ててきたが、そろそろ限界だ。

 子ども達の父親へ妊娠の事実を告げずに出産したのは、やはりよくなかったのかもしれない。

 ――わかっている。
 わざわざ大枚をはたいて、弁護士の力を借りる必要などないと。

 お世話になっている店長は、彼の叔母なのだから。
 その気になればいつだって、彼女を経由して無料で連絡が取れた。

 だけど……。
 上司の力を借りようと決意できなかったのは、今以上に迷惑をかけてしまうのではないかと危惧した結果だった。

 ――こちらから何も言わずに姿を消したのに、突然連絡してきたと思ったら金の無心だなんて……。
 最悪も、いいところだ。

 やはり弁護士さんの力を借りて、面と向かって顔を会わせぬまま慰謝料を請求するのが一番だろう。

 そう考えた私は男女トラブルに強い弁護士の元へ、子ども達とともに無料相談へやってきた。
< 1 / 162 >

この作品をシェア

pagetop