エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
「結局、雑魚寝になるんですね……」

 引っ越してよかったのは、敷布団からふかふかのキングサイズベッドで眠れるようになったことだろうか。
 さすがに双子と夫婦4人では狭く感じるが、真ん中で身を寄せ合って眠る子ども達はとても幸せそうだ。

「親離れは、まだまだ時間がかかりそうだな」
「涼花はさっさと独り立ちしそうな勢いがありますが、司は心配ですね」
「そのうち、逞しい男になるさ」
「そうだと、いいのですが……」

 純司さんの楽観的な答えは気がかりだが、親としては娘と息子を分け隔てなく育てることしかできることなどない。

 ――大事なのは必要以上に不安がるのではなく、健やかな成長を見守ろうと言う姿勢だ。

 私が何度も自分に言い聞かせて納得しようと試みていたところ、彼の口から思いもよらぬ提案を受ける。

「独り立ちを促したいのなら、ちょうどいい施設があるぞ」
「そう、なのですか?」
「ああ。子ども向けの、職業体験施設だ」
「そんな施設があるんですね……」

 私は初めて知る単語に目を白黒させながら、彼が見せてくれた画面を確認する。
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