エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
 上から押さえつけられて「思い通りに動け」と命じられるのが不愉快で堪らないのだ。
 強要されればされるほど、反抗したくなる。

 ――この気持ちを素直に打ち明けたら、まるで思春期の子どもみたいだとますます激昂するんだろうな。

 怒りを顕にしている人間と話を続けたところで、時間の無駄しかない。

「なんだと……?」
「失礼する」

 僕は説明を求めて呆然とした表情でこちらを見つめる父親に頭を下げ、談話室をあとにした。

「お帰り、純司。兄さん、すごく怒っていたでしょう?」
「いつものことだ」

 大広間に戻ると、すぐさま叔母から声をかけられた。
 これ以上話すことはないと、親戚の挨拶回りに向かおうとしたところ――。

 従兄弟と手を繋いでいる2人の幼子が、こちらをじっと見つめているのに気づく。

 ――誠の子どもにしては、でかいな……。

 1人はピンクのトップスに黒のスカート、もう1人は青のトップスに黒のパンツ。
 お揃いの洋服に身を包んだそっくりな顔立ちの少年少女は、不思議そうに疑問を投げかけた。

「おじさん……」
「だあれ?」

 こてりと首を揃える角度からタイミングまで、完全に一致している。
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