こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜
「ちょっと、田沼さん。これ、事前に止めることはできなかったの?」
あまりのスケールの大きさに意識が遠のきそうになりながら、遥は隣に立つ無表情な秘書に助けを求める。
「無理ですね。隼人様が小学生の頃、作文に書いた将来の夢は『会社を経営し、勇気をくれたあの子に贈る』でしたから」
「……初志貫徹すぎない!?」
逃げ道がないのは、契約のせいじゃない。
この男の愛が、宇宙規模で重すぎるせいだ。
「でもどうして作文の内容まで知っているの?」
「田沼は世話になっていた叔父の息子だ」
只者ではないと思っていた秘書の田沼も、やはり天才の血筋だったのだ。
フラッシュの白光の中で、遥はしみじみと悟った。
目の前で不敵に笑うこの男は、自分を救うために来た王子様などではない。
22年という歳月をかけて、自分を逃がさないための檻を世界規模で作り上げてしまった、とんでもなく厄介で重い男だ。
お父さん。私、とんでもない人に捕まっちゃったみたい。
お父さんがプログラミング教室なんてやったから!
「ツクモソフトの名を無くしたくないんだ」
そうだろう? と同意を求める隼人に遥は疑問をぶつける。
「じゃあ、どうしてあの時、合併後の社名はM-ADCって書いたのよ」
「負けず嫌いの遥は、その方が必死に喰らいつくと思ったから」
父が守り続けたツクモソフトの名前を消すなんて容認することはできないと、賭けに乗ってくると思ったと目の前の策士は笑う。
こういう計算高い所も、私とは正反対!
ポーカーをやったら絶対に負けるわ。
「なんで私の性格を把握してるのよ」
「……優作さんに遥のことをよく聞いていた」
まだ独身なのか、つきあっている男はいるのか、食べ物は何が好きなのか、どんなものに興味があるのか。
「料理ができないことも。だから俺が料理を覚えればいいと思った」
さらりと言ってのけた隼人に、遥は言葉を失った。
大会社のCEOが包丁を握る練習をしていたなんて。
すべては、私のためだけに。
「……バカでしょ」
「遥のことに関しては、一生正気になれる気がしない」
遠ざかっていく平穏な日々。
けれど、隼人の隣で浴びるこの眩しすぎる光も、案外悪くないかもしれない。
遥は震える唇を、確かな決意をもって、微笑みの形へと変えた。
あまりのスケールの大きさに意識が遠のきそうになりながら、遥は隣に立つ無表情な秘書に助けを求める。
「無理ですね。隼人様が小学生の頃、作文に書いた将来の夢は『会社を経営し、勇気をくれたあの子に贈る』でしたから」
「……初志貫徹すぎない!?」
逃げ道がないのは、契約のせいじゃない。
この男の愛が、宇宙規模で重すぎるせいだ。
「でもどうして作文の内容まで知っているの?」
「田沼は世話になっていた叔父の息子だ」
只者ではないと思っていた秘書の田沼も、やはり天才の血筋だったのだ。
フラッシュの白光の中で、遥はしみじみと悟った。
目の前で不敵に笑うこの男は、自分を救うために来た王子様などではない。
22年という歳月をかけて、自分を逃がさないための檻を世界規模で作り上げてしまった、とんでもなく厄介で重い男だ。
お父さん。私、とんでもない人に捕まっちゃったみたい。
お父さんがプログラミング教室なんてやったから!
「ツクモソフトの名を無くしたくないんだ」
そうだろう? と同意を求める隼人に遥は疑問をぶつける。
「じゃあ、どうしてあの時、合併後の社名はM-ADCって書いたのよ」
「負けず嫌いの遥は、その方が必死に喰らいつくと思ったから」
父が守り続けたツクモソフトの名前を消すなんて容認することはできないと、賭けに乗ってくると思ったと目の前の策士は笑う。
こういう計算高い所も、私とは正反対!
ポーカーをやったら絶対に負けるわ。
「なんで私の性格を把握してるのよ」
「……優作さんに遥のことをよく聞いていた」
まだ独身なのか、つきあっている男はいるのか、食べ物は何が好きなのか、どんなものに興味があるのか。
「料理ができないことも。だから俺が料理を覚えればいいと思った」
さらりと言ってのけた隼人に、遥は言葉を失った。
大会社のCEOが包丁を握る練習をしていたなんて。
すべては、私のためだけに。
「……バカでしょ」
「遥のことに関しては、一生正気になれる気がしない」
遠ざかっていく平穏な日々。
けれど、隼人の隣で浴びるこの眩しすぎる光も、案外悪くないかもしれない。
遥は震える唇を、確かな決意をもって、微笑みの形へと変えた。