愛しい君よ〜俺達の恋〜
人混みを掻き分けるように俺達が向かった焼肉屋は、それぞれが個室になっていて落ち着ける反面、



付き合いの深い俺達にとっては2人っきりというのも物足りなく感じる。




騒々しい店もあまり好きではないけれど、



付き合った当初は、それはそれで2人の空気が周りに刺激されるようで心地よいものでもあった。




人はないものねだり、というか。




馴れ合いの中で、互いを高めていくのは相当な努力が必要で。




時には周りの空気にも助けられながら互いの存在を認めあう。




歩こうなんて、
やれ、いつもたちっぱで足が浮腫むやら何やら言っている亜子には珍しいかもしれない。




こうして人の波に逆らいながら2人並んで歩くことで、




やっぱり亜子も同じ思いを感じているのか…?




澄んだ空気の中、一際輝く大きなネオンのビルが交差点を差し掛かったところで見える。



壁面いっぱいに掲げられたエキシビジョン。




そこから流れてくる大音響が冷たい空気をほんの僅かだけやわらげているようだ。


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