涙を包むラベンダー(リメイク)
<富良野・森のカフェ>

逢月姫
(ウトウト…。)

ガタッ!

逢月姫
「私…うたた寝してた…?」


『うん。』

逢月姫
「もうッ!起こしてよぉ…!」


『ごめん、逢月姫の寝顔がかわいくて…つい。』

逢月姫
「うぅ…嬉しいけど…恥ずかしい…///」

聖地のカフェは、ドラマ以上にゆっくりと時間が流れていた。

ガラス張りのラウンジから木々のざわめきを眺めていると、まるで森と一体になったような気がした。



逢月姫
「このまま白雪姫のように眠ってしまいたい。そしてあなたのキスで…。」


『(クスクス)…。』

逢月姫
「もしかして…さっきみたいに起こさないつもり?」


『そ、そんなことないよ。ちゃんと起こすよ。』

逢月姫
「しばらく寝顔を眺めてから…でしょ?!」


『そうかも。』

逢月姫
「もうッ!せっかくのシーンなんだから!キスで起こしてよ!王子さま!」

そんな冗談で、彼と笑い合った。

いたずらっ子のような彼の笑顔が、私は大好きだった。
< 5 / 13 >

この作品をシェア

pagetop