涙を包むラベンダー(リメイク)
<3年前、8月下旬>

逢月姫
「このドラマに出てくるカフェ…素敵!」

当時、私が好きだったドラマに『森の中のカフェ』が登場した。

逢月姫
「最近、都会に疲れたな…たまには喧騒を離れて、癒されたいなぁ…。」

森に(たたず)む素朴なカフェ、穏やかに流れる時間、聞こえてくる葉音。想像するだけでうっとりと眠くなった。

さっそくドラマのロケ地を調べてみると、

逢月姫
「北海道…富良野?富良野といえば…ラベンダー?!」

私は彼に無理を言った。

逢月姫
「お願い!聖地巡礼で癒されたいの!旅費は私が出すから!」

急なお願いだったのに、彼は快諾してくれた。

さっそく2人で旅行の計画を立てた。

当時の私はペーパードライバーだったから、レンタカーより観光バスにしようと思った。

私が彼にそう伝えると、彼はレンタカーの運転を買って出てくれた。

『せっかく初めて北海道に行くなら、自由に寄り道できた方が楽しめるよ』って。

私は彼の優しさに甘えることにした。

旅行中、レンタカーの運転をほとんど彼に任せてしまった。
< 4 / 13 >

この作品をシェア

pagetop