涙を包むラベンダー(リメイク)

【第2話:松葉杖と彼に支えられて】

<2年前、8月中旬>

逢月姫
「お誕生日おめでとう!プレゼントは北海道旅行よ!」

私は1年前から、今年の賞与の使い道を決めていた。

彼がとても気に入って、『また行きたい』と言った北海道旅行だ。

ラベンダーの収穫前の7月に行きたかったが、彼の出張が重なって8月になった。

逢月姫
「去年はレンタカーの運転ありがと!今年の運転は私に任せて!」


『そういえば最近、遠出するたびに運転してたよね。もしかして、そのために?』

逢月姫
「もちろん北海道を走るため!そのためにペーパードライバーを卒業したの!」

去年、私は彼の運転を助手席から見ていて、北海道のあまりの広さに圧倒された。

見渡す限りの空、畑、まっすぐな道。前に進んでいないような錯覚で眠くなった。

彼と交代して少しだけ運転したが、ペーパードライバーのまま挑むのはマズいと思った。


『ありがとう。疲れたら交代しようね。』

逢月姫
「うん!」
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