幼馴染のち恋模様
我が家に帰って来て早速、映画鑑賞の準備を始める。
梗介は、張り切っている葵を呆れた様子で眺めていた。
テーブルには飲み物とお菓子たち。カーテンを閉めて電気を消し、サブスクの配信サイトをテレビで開く。
「何見る?」
「ここはやっぱりホラーだろ」
「絶対言うと思った・・・却下です」
「葵は見たいのないの?」
「あ、これ見たいかも」
葵が見つけたのは5歳児の男の子が主人公の某有名長寿アニメの映画版。
「葵はこういうの好きだよな。アニメ映画ってそんなじゃない?」
「あっ!侮ってるな?見終わってからも同じことが言えるかな〜?」
梗介を挑発してみるがスンっとしていて効いていない。
それどころか、葵を抱え足の間に座らせた。
「見づらいよ」
「抱きしめながら見るって言っただろ」
確かに言ってた気がする・・・。
仕方ない、と諦め映画に集中する。
映画が進むにつれ、笑う場面や、緊張が走る場面が出てくる。葵の後ろで梗介も同じリアクションをとっているのが分かり嬉しくなる。
映画のクライマックスは感動的でオイオイ泣く葵を梗介は笑いながら慰めていた。
見終わってから梗介は感心していた。
「思ってたのと全然違った・・・面白かったわ」
「でしょ!?だから言ったじゃーん!」
得意気に笑う葵に梗介が突っ込む。
「なんで葵が偉そうなんだよ。てか泣きすぎ」
笑いながら葵の目元を撫でる。
「ギャグとのギャップが涙腺を刺激するよね」
「確かに感動した。家族っていいな」
「ふふっ、だね」
二人でハートフルな気分に浸っていたはずが、梗介の次の言葉で崩れ去る。
「じゃあ次ホラーな」
「え!?」
「葵が見たいの見たから次は俺の番だろ?」
最もなことを言われるが納得いかない。
「梗介の見たいやつでいいからホラー以外を所望します・・・」
「優しめのやつだから大丈夫。怖かったらしがみついてろよ」
そういう問題ではない!
「怖くないし・・・ちょっと吃驚するだけで・・・」
正直に言えばいいものを見栄を張ってしまうのはどうしてなのか・・・。
「じゃあいいだろ。これにしよう」
梗介は勝手に再生してしまう。
ここまで来てしまっては逃れられない。諦めて画面に目を向けた。