幼馴染のち恋模様
朝起きると、隣には愛しい温もり。逞しい腕にしっかり抱きしめられていて笑ってしまう。
いつもの真っ直ぐで綺麗な瞳はまだ閉じられていて、じっと見つめる。
離れていた時間が長くて、これは夢ではないかと疑いたくなってしまうが、確かにある温もりに安堵する。
綺麗な顔が目の前にありドキドキするが、ついいたずら心が芽生える。普段触れないところを触ってみたくなって手を伸ばした。
指でそっと眉毛や鼻筋をなぞる、いつも葵を乱す唇も・・・
「キスで起こしてくれないの?」
咄嗟に手を引っ込めるが、ゆっくり開いた瞳と目が合い居た堪れなくなる。
誤魔化すように笑ってみると唇が重なった。
「じっと見つめてるから待ってたのに」
「起きてたなら言ってよ」
目を瞑ってたのにどうして見つめてたこと分かったの?忍者か何か?
梗介はクスクス笑いながら葵の髪を撫でる。
「おはよう、葵」
「おはよう、梗介」
お互い微笑みながら朝の挨拶を交わす。
梗介は葵のおでこに唇を寄せ、もう一度抱きしめる。
「寝る時も起きた時も葵が居て最高に幸せ。体平気か?」
「色んなところが痛いです・・・おしまいって言ってるのに全然やめてくれないから・・・」
「2ヶ月ぶりに葵を抱くのに止められるわけないだろ。今からでもできるけど・・・」
「無理無理無理!」
これ以上されたら本当に体がどうにかなってしまうっ!
不穏な空気を察し、全力で拒否する。
「そこまで拒否られると余計組み敷いてやりたくなるんだけど」
「本当にっ!今日はもうダメ!」
梗介の胸を押して距離を取る。
「それは無理。葵が目の前にいたら俺はいつでも抱きたい」
なんてこと言ってるのこの人はっ!
葵の腕を引き背中と腰を腕で固定すると、更には足を絡ませ完全にホールドされてしまう。折角取った距離を、梗介はいとも簡単に埋めてしまった。
「そろそろ起きようよ!朝ごはん作るから!」
葵の言葉に梗介の肩がピクッと反応する。
「葵の手料理・・・は、食べたいけど、今日はゆっくりしよう。昨日仕事終わりだったのに色々作ってくれて疲れただろ?何か頼むか・・・」
そんなこと思ってくれてたんだ・・・。
梗介の優しい気遣いに嬉しくなる。
「近くにパン屋さん見つけたから一緒に買いに行かない?」
「歩けるか?」
昨夜、やり過ぎた自覚があるのか葵の顔色を窺うように聞いてくる。さっきまでの威勢はどこへいったのやら・・・。
「ふふっ、そこまで重症じゃないよ」
葵の言葉に安堵したように梗介が微笑む。
「なら行こう。仕事ばっかでこの辺の店なんてコンビニくらいしか把握してないから、今は葵の方が詳しそうだな」
「任せて!パン屋さんにイートインスペースあるからそこで食べて、そのあとぶらぶら散歩でもしようか」
今日の予定が決まり、早速動き出す。
梗介はまだベッドで葵とイチャイチャするつもりだったのだが、葵のワクワクした様子が可愛くて仕方なくベッドから出ることにした。