幼馴染のち恋模様
あーと口を開けて待つ梗介に目を白黒させる。
手で・・・食べさせる・・・?
「無理だよ!恥ずかしい!」
「無理じゃない。早く」
こういう時梗介は生き生きする。今もニヤニヤと笑いながら私が慌てる様子を楽しんでいる。
悔しくなった葵はトリュフを指先で一つ摘み上げると、少し迷って自分の口へ運んだ。
不思議そうにする梗介の口に、自分が咥えているトリュフを移す。
そっと口を離すと、驚いて固まる梗介を見てしてやったりと笑い、唇についたココアパウダーを舐めた。
「どこでそんなの覚えて来たんだ?」
低く唸るような声で言うと葵の手首を掴み口元に寄せる。ココアパウダーが付いた指をペロッと舐めると口に含む。舌で指先を愛撫するように弄ぶとジュッと吸い付いた。
「んっ・・・」
思わず声が漏れる葵の後頭部を引き寄せ、噛み付くような口付けでソファーの背もたれに押し付ける。
チョコ味の甘く淫らなキスは葵の脳を溶かしていく。絡む舌が逃げることを許さない。
梗介の手が服の裾から入ってきて葵の体をなぞる。
「待って、シャワー浴びたい・・・」
「煽ったのは葵だろ、待たない。それに、誰に口移しなんて教わったんだ?あの元彼か?」
嫉妬に歪む表情がやけに色っぽくて、葵の胸はトキメキに揺れる。
「誰にも教わってないよっ、漫画で・・・読んだことあるだけ・・・」
「・・・・・・葵ってそういう漫画読むのか?」
キョトンとした顔で尋ねられた。
何か誤解してる!?
「ちっ違!普通の少女漫画でもそういうシーン出てくるの・・・」
「へぇ・・・葵もしてみたかったんだ。それとも・・・して欲しかった?」
梗介はコーヒーを口に含むと葵に口付ける。隙間から少しずつコーヒーが流れ込んできて、口いっぱいにコーヒーのほろ苦い味が広がる。
梗介の口移しで飲んでいると思うとすごくいやらしく思えて、体の奥が疼いた。
コクッコクッと飲み込むが、上手く飲み込めなかったコーヒーが口の端から垂れてくる。梗介はそれを舐めとった。
「液体は難しいな」
首や口元を舌が這う感覚にゾクゾクと鳥肌が立ち、梗介の色気に充てられてのぼせそうだ。
息を乱しながら、ソファーに体重を預けて惚けていると、横抱きにされベッドへ運ばれた。
「やっと抱ける。帰ってきてから葵が可愛くてどうにかなりそうだった」
自身の服を脱ぎ捨てながら葵を見下ろして言う。
「簡単には離してやんないから」
目をぎらつかせた梗介は葵の唇と自身のそれを深く重ねる。
梗介とのキスは葵の思考をすんなり奪っていく。梗介からの想いが伝わってくるような甘い触れ合いに、脳も体も簡単に快感を呼ぶ。
「痕、当たり前だけど全部消えてるな・・・」
少し寂しそうに梗介の手がキスマークが付いていたであろう場所を辿って撫でていく。
「あの時のは付けすぎだよ・・・びっくりしたんだから」
思い出して羞恥が蘇る。
「葵が他の男と出掛けたりするからだろ」
不貞腐れたように言い放つと「それに」と続けた。
「葵の白い肌に俺が付けた赤い痕が散っていくのが堪らなくて、すごく満たされた。だから、今日も葵の肌は俺の痕で赤く染まるよ」
そう言ってまた一つ、胸元に赤い花を散らす。
満足そうに妖艶な笑みを浮かべ、付けたばかりの痕を撫でる。
その姿に葵は息を呑み、見惚れてしまう。近づく梗介のキスを受け入れ身体中を駆け巡る快感に身を委ねた。