メシ友婚のはずなのに、溺愛されてるのですが!?

 七瀬さんと冬真さんのテーブルマナーと英語講座を終え、彼の車で家まで送ってもらいやる気に満ちていた時だった。

 帰宅した私を迎えてくれたのは……和真さんだ。けれど、いつもとは全然違う表情を浮かべていた。


「昼飯、外食してきたんだな」


 とても、冷たい声だった。

 靴を脱いだ私に迫ってきた和真さんの顔を見たら……少しだけ、怒りを感じた。


「えぇと……七瀬さんと、時間が合って……」

「凜華と? 本当に?」

「冬真さんと、偶然会って、送ってもらいました……」


 和真さんは、どうして、そんなに怒ってるの……?


「なぁ、瑠香は俺じゃなくて冬真がいいのか」

「えっ……」


 いきなり出てきたその言葉に、素っ頓狂な声を出してしまった。

 どうして、そんな言葉が出てくるの……?

 冬真さんになんて、そんな事思ってないのに。ただ、今日の冬真さんは英語のスパルタ先生で、とても尊敬した。それだけ、思ってたのに。


「まぁ、一卵性双生児だから顔は似てるけど、中身は違うからな。俺は冬真のように要領もいいわけじゃないし、親が言う事を素直に聞くお利口さんでもない。そりゃ、冬真の方が魅力的に見えるだろうな」


 えっ……

 どうして、そんな事を言うの……?

 その時、和真さんは私の左手を取った。そして、薬指にあるお揃いの指輪に触れる。


「だが……お前と結婚してるのは俺だろ。冬真じゃない」

「あ、あの、和真さん……?」


 けれど、はっ、とぱたりと止まった。そして、視線を下に降ろしていたから顔に陰りが見えた。


「……悪い、変な事言った。忘れてくれ」

「和真さんっ……!」


 そのまま、玄関から中に戻っていってしまった。

 どうして、いきなりそんな事を言うの……?

 私は、一度もそんな事を思った事がないのに。

 泉谷さんとお茶をした時、彼女は涙ほくろでしか分からないと言っていた。けれど、彼と偶然会っても、涙ほくろを見なくても、そっくりでも、間違えなかった。

 それだけ、和真さんの事をずっと見ていたのに。

 どうして、そんな事を言うの……?

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