【SS集】クリスマスに甘い恋を。
瑠唯さん、コーヒー苦手なのかな…。
私も甘いもののほうが好きだから、コーヒーが飲めなくても大丈夫だけど、と思いながらうなずく。
「音無総長、そういうわがままはよくないよ」
「いいの。僕が許すから」
「いや~、でも総長はマイペースすぎるよ?」
「そうそう――」
でも、お兄さんや周りの人たちが瑠唯さんにやいのやいの言い始めて、多数対瑠唯さんの構図で軽い言い合いが始まってしまった。
私はしばらくおろおろしていたけれど、瑠唯さんが一歩も引かずに言い返しているようすをみて、なんだか大丈夫そうだと思い。
視線をうろうろさせたのちに、目の前のマグカップを見て、ひとまずココアを飲んでみることにした。