【SS集】クリスマスに甘い恋を。
「稚奈はこれから僕のペットね。たくさんかわいがってあげるから、安心していいよ」
“かわいがってあげる”。
その言葉がなんだかくすぐったくて、ほおがうっすら熱くなるのを感じながら、コクリとうなずく。
「…はい。えっと…よろしく、お願いします」
「ん。とりあえず、そのココア飲みな。ケーキも食べる?チキンでもいいよ」
「え、あ、えっと…」
一度に言われてあたふたしていると、ココアを出してくれた店員さんふうのお兄さんが、カウンターのなかから声をかけてきた。
「今日はクリスマスパーティーをするんだ。食べ物も飲み物もたくさん用意してあるから、えんりょしなくていいよ。それとも、コーヒーのほうが好き?」
「コーヒーはだめ。いい、稚奈。僕の前でコーヒーを飲むのは禁止」
「は、はい…」