ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜8
「今夜は豚汁を出す予定なので、油揚げをお願いしたいにゃんよ」

「毎度ありがとうございます!」

 大量の油揚げを注文したエリナは、店の外に出るとぶるっと身体を震わせた。

「なんだが急に気温が下がったみたい。空も曇っているし……」

 見上げるエリナの上に、白い花びらのようなものがふわふわと落ちてくる。それを見た子猫は「白猫の耳のようなこれって、まさか、雪? スカイヴェン国の王都に雪が降ってくるなんて、いったいなにが起きたにゃん? 今は夏季だにゃんね?」と驚きの声をあげた。

 スカイヴェン国は、冬季と夏季があるものの、王都近辺では日本のような大きい季節の変化がない。一年を通して、比較的穏やかで温暖なのだ。
 
 なので、たとえ冬季だとしても、王都には今まで一度も雪が降ったという記録がない。

「これは、異常気象というものなのかにゃ?」

 午前中で賑わう市場では、雪に気がついた人々が「氷の塊が空から落ちてくるよ」「ふわっとした白い氷だけど、どうやって作ったんだろう?」「それにしても、寒すぎるな! 俺たちも凍っちまうぞ」「わたし、聞いたことがあるわ。寒い地域では冬になると『雪』が降るんですって。これがそうじゃないかしら?」と口々に話す声がする。

 その時、子猫のワンピースのポケットにしまってあるブローチが振動した。

「あっ、ユー様からの連絡にゃ」

 エリナはきょろきょろと辺りを見回してから、人のいない市場の片隅に移動した。
 そこへ「エリナ!」と彼女の名前を呼びながらルディがやってきた。可愛いお買い物を物陰から見つめるストーキング……ではなく、安全のための見張り業務は終了したようだ。
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