ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜8
「あらエリナちゃん、いらっしゃい」

 店に着くと、ドワーフのメルダが元気に出迎えてくれた。
 ドワーフの一族はとても長寿で筋肉質な身体を持つのが特徴的で、意外に体力を使うお菓子作りに向いている。泡立て器を持たせたら、何十分でも平気で泡立て続けることができるのだ。
 メルダもまだ若い女性なので乙女の細腕の持ち主なのだが、パワーは充分ある。

「パイナップルのロールケーキと、これも新作なんだけど、パッションフルーツのロールケーキも用意したのよ。パッションフルーツは果汁を絞って滑らかにクリームに混ぜ込んであるから、華やかな風味が口に広がってとても美味しいの」

「うわあ、パッションフルーツのケーキがあるにゃんね、それは楽しみにゃん!」

 喜んだ子猫がルディと手を繋いだままぴょんぴょん跳ねたので、まるでおもちゃのようでとても可愛かった。

「パッションフルーツとは初めて聞くものだが、どんな果物なのだ?」

 ルディが尋ねると、エリナは心の中で『憧れのパッションフルーツ! わたしも図書館で読んだ本の知識しかないけれど……早く味わいたいにゃ』と思いながら、心を込めた説明を試みた。

「南国の情熱的な強い香りと甘みと酸味が激しく踊りながら迫ってくるような美味しい味の果物にゃん!」

「おっ、おう、そうなのか」

 ルディは謎のラテンダンス風ステップを踏み始めた子猫を見て「これはかなり期待できそうだな」と尻尾を振った。
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