【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
第2話【お見合い】
「会長。これが私の娘の美宙です」
お父様に紹介されて、私の心臓が激しく鳴り響く。緊張で喉が乾いて、声が出るか心配だったけど、なんとか言葉を絞り出す。
「如月美宙と申します」
父に続けて言った。視線を上げると、藤乃家の皆さんの顔が目に入る。
穂貴さんのお父様やご夫人、そして穂貴さんの……穂貴さんの瞳が、私をまっすぐに見つめていた。
こんなに注目されるのは、慣れていない。外に出ないで生きてきた私にとって、こんな華やかな場は夢のようだ。
粗相をしたら、如月家に迷惑をかける。絶対に失敗できない。
「とても可愛らしいお嬢さんなのね。よろしくね」
「は、はい。ありがとうございます……よろしくお願いします……」
奥様の言葉に、心の中で安堵の息が漏れる。第一印象クリアしたっぽい。よかった。少なくとも、嫌われていないみたい。
童顔の私が、こんな立派な家柄の人たちに受け入れられるなんて、信じられない。胸の奥で小さな喜びが芽生えるけど、すぐに不安がよぎる。これからどうなるんだろう……。