【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
第3話【デートと提案】
数日後の日曜日。天気は気持ちのいい快晴だ。
青空が広がり、穏やかな風が頰を撫でる。外出なんて久しぶりで、心が少し浮き立っていた。
でも、同時に緊張で胸がざわつく。穂貴さんと私のような養女が本当に受け入れられるのか、不安が拭えない。
「藤乃さん、わざわざお迎えに来てくださってありがとうございます」
外で待っていた私に、穂貴さんが優しい笑顔を向ける。心の中で、感謝の気持ちが溢れる。こんなに丁寧に迎えに来てくれる人、初めてかもしれない。
如月家では、いつも一人で待つのが当たり前だったのに……。
「いえ、お屋敷の中で待っていてくださってもよかったのに……寒くはなかったですか?」
「さっきまで中にいたんですが、藤乃さんが見えたので」
……というのは嘘。心の中で、罪悪感が少しよぎる。本当は、別邸から出るのは、なんか世間体が悪いとかと旦那様がおっしゃったので外で待ってたとかは言えない。でも、穂貴さんに本当のことを話せない自分が、なんだか寂しい。