【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
その時に俺は、一目惚れをした。あの瞬間、心が奪われた。彼女の笑顔、純粋な瞳が、俺のすべてを変えた。その時に美宙ちゃんのお母さんに言われた言葉がある。
『穂貴くん。この子が欲しいのなら、立派な男になって……絶対に幸せにできる確証がないと私たちはお嫁には出せないわ』
そう言われた。その言葉が今も耳に残ってる。あの言葉が、俺の原動力になった。染織の道を選びながらも、彼女に見合う男になるために、努力してきた。でも、今の俺は本当にそれに値するのか。彼女の記憶がない今、俺はただの婚約者。
もう一度、彼女の心を掴む自信はあるのか。心の中で、過去の約束が重くのしかかる。
あの日の約束を果たすために、俺はもっと強くなりたい。美宙ちゃんの幸せが、俺のすべてだ。